第591話 くノ一とエルフ剣姫
お江は専用にカスタマイズしたビキニアーマーを装着する。
そして、小太刀の長さの柳生竹刀を手にしては、軽くぴょんぴょんと準備運動を始めた。
「宗矩、準備良いよ」
と、お江が言うとミライアも対面して構えた。
「始め」
宗矩の声が道場に響いた瞬間、空を斬るかのごとくの音を出すミライアの突きがお江に・・・・・・ん?ん?
お江がいないと思ったら瞬間上を見ると器用に天井の柱に捉まっていた。
そこからすっと無音でミライアの後ろにおり、ミライアの首に小太刀を軽く当てる。
「チェックメイト。確か異国の将棋の積んだときってこう言うんだよね?」
と、言いながらケラケラと笑うお江。
洒落になってない。
くノ一技術に特化しすぎだ。
暗殺を頼んだら軽々としてきそう。
俺だって危うい早さだった。
真っ青になり、崩れ落ちるミライア。
「・・・・・・負けた。失格」
と、独り言でつぶやくが、お初が
「私に負けなかったのだから合格よ。あなたは今日から黒坂真琴の側室よ」
「よっしゃー、エルフ嫁だーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と俺がガッツポーズをすると後ろからはお江が首に竹刀を当てて、お初は面を打とうとしていた。
「おいおいおいおい、やめろーーーー防具着けていないんだからーーーーーーーー」
バシーンと、道場に音が鳴り響き、俺は頭を押さえた。
避けることも勿論出来るが、お初なりの焼きもちの憂さ晴らしに一発は受けてあげた。
痛かったがエルフに似た容姿の嫁が増えるなら我慢しよう。
イギリス海軍提督フランシス・ドレークの娘、ミライア・ドレークは側室になった。
そして、お初達を悩ませている次から次へと来る側室候補対策のために各地に高札を立てた。
『黒坂常陸守真琴の側室の採用条件
16歳以上25歳未満
容姿端麗であること。
足が綺麗であること。
日本語を使えること。
他の側室と仲良く出来ること。
特質した特技を持っていること。
宗教に寛容であること。
体臭が黒坂好みで有ること。 』
この謎が多い側室採用基準により各地からの側室候補送りは一旦下火となり、今まで来た中の送り先に帰られなかった者約1300人は常陸国立茨城城女子学校ジブラルタル校の生徒となった。
この時代、ヨーロッパでは貧しい平民は口減らしで、子供を修道院に入れるのは普通によくあること。
それと同じような物だ。
なかなか大きな女学校になってしまったが、経済的余裕はあるし、生徒達は学びながら働くので経済的問題はない。
教師も多数招いたし、グローバルに成長して活躍してくれる女性になるよう俺も注視していこう。
この女子達が育てば、他に分校を開き教師として働かせて、貧しい平民の受け皿としていければと考える。
マウンダー極小期の飢饉に備えていくぞ。
そうそう、ミライアには専用の甲冑を作ってあげた。
胸当てを大きな胸に合わせて作り、セーラー服の上から着用出来る形態。
脛当てと額に当てる鉢金には、茨の装飾をした。
勿論、俺が茨城を愛するから茨を装飾として採用したわけだ。
それがなかなか綺麗だ。
紅常陸隊の『和式呂菩殺怖式甲冑』も、この装飾で統一しよう。
お洒落な甲冑で少しは華やかにしよう。
ミライアのエルフ度数はその専用甲冑でますます濃くなった。
あらゆる人種が俺の側室に・・・・・・智也や貴志は羨ましがるだろうな~。




