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第567話 遭難生活その2

 島に避難して4ヶ月が過ぎようとしていた。


寝る場所、食べ物、暖を取ることには不自由ながらも困る程ではなく、余裕がある。

 

サバイバル生活を楽しんでいると言えば気持ちも幾分楽だが、真田幸村が責任感からかそわそわしている日が続く。


「御大将、そろそろ私に命じて下さい。私が救援を呼びに行きます」


「幸村、この地でジッと待っているからこそ、死者も出ずにいられるのだぞ、もう少し辛抱すればきっと助けは来る。無謀な事をする必要はない。少し瞑想でもしていなさい」


俺は岩に腰を下ろし、あぐらをかいて瞑想スタイルに入る。


瞑想は祖父の修行にあり、ざわつく心を無にする事を学んだ。


心を無にし、自然と一体化する。


すると、不思議に自然の音が耳に流れ込む。


聞こえるはずのない、岩の声、山の声、風の声、虫の声、草木の声、動物の声、・・・・・・そして同じ陰陽師の力を持つ者が語りかけてくる声。


瞑想して数時間、日が傾き夕飯の焼き魚の匂いがし出したころ、俺は笑いだしてしまった。


「ぬはははははははは」


「御大将、いかがなさいました?まさか気の病?」


「ぬはははははははは、心配いたすな、幸村。気狂いはしておらん。そして、助けは来るぞ。あと一週間も待てば来る」


「え?御大将」


「幸村、目印になるように灯台でありったけの流木を燃やし続けよ。兎に角、目立たせよ」


備蓄してある流木、節約しながら使っていたがそれを全部燃やすように指示を出す。


不思議がる真田幸村だったが、その俺の指示をお初は躊躇することなく兵士に伝える。


なんだかんだと、厳しいお初だが、心から俺を信頼していてくれる行動なのがわかる。


俺の言葉に疑問を持たない、お初。


その指示に従う兵士達。


「御大将、よろしいので?」


「近くおもしろい者が来るぞ、そうか、俺の力を引き継いだか」


と、言う言葉にお江が感づき、


「あっ、わかった。だって~マコの事一番に目を付けたのは私だもん」


と、言うとお初も気付き、


「確かに一番に好きになったのはお江ですが、気持ちなら負けませんよ」


と、対抗意識を燃やしていた。


「ははははは、もう何年も一緒なんだからどっちが先か?なんて関係ないさ、たまたま俺のその力を含む遺伝子を色濃く引き継いだんだろうなぁ」


と、言うと流石に幸村も気が付き、


「あっ、確か経津丸様が・・・・・・」


と、言いながら平手の左手に右手の握り拳をポンと叩きなるほどと言う顔をしていた。


「そういう事だ。だから動くな」


「はっ、かしこまりました」


この日から幸村は、岬に立って望遠鏡で大海原を繰り返し見ていた。

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