第565話 茶々
「宗矩、それは真ですか?」
真琴様が消えた・・・・・・。
お初も、お江も・・・・・・。
船旅は安全ではないのはわかっていたこと。
しかし、今まで事故に遭わずに来たことで安全だと思い込んでしまっていた自分がいる。
真琴様、お初、お江・・・・・・。
「茶々の方様、どうか気をしっかり持ってください。まだ死んだと決まった訳ではございません。捜索にあの船を使わせていただきたいのです。お許しをください」
そう、私がうろたえては駄目。
私は真琴様に信頼されすべてを任されている。
このようなときには女は捨て、武将の心で挑まねば。
しかし、あの船は強力すぎる兵器。
宗矩に任せて良いのやら?・・・・・・。
どうする。どうする。・・・・・・。
私が行きたい、行きたいがそれは許されぬ事。
なら、このまま船長を柳生宗矩に任せる?それは良いのか?
「義母上様、何やら胸騒ぎを感じまして、羽黒の山から急ぎ戻ってきました」
経津丸と北斗が襖を開けて入ってきた。
お江の息子の経津丸と桃子の息子の北斗は歳が近く、仲が良い。
経津丸は陰陽師に興味を持ち山ごもり、北斗はと言うと剣術・火砲術に夢中だ。
経津丸は真琴様の陰陽の力を引き継いで才覚を現しだしている。
それで感じた事か・・・・・この二人なら。
「柳生宗矩、新戦艦の仮の艦長を命じ他戦艦二隻を率いて艦隊を組み、真琴様捜索を命じます。
そして、経津丸と北斗は同乗し軍監奉行を命じ、柳生宗矩が独断で他国を攻撃したりしないように監視するのを命じます」
「義母上様?」
「父上様捜索?」
経津丸と北斗にも事の次第を教えると、意外にも経津丸は笑った。
「父上様ですか?生きていますよ。だって感じますから」
「陰陽師の力?」
「はい、父上様が勧めてくれた羽黒の山の修行でいろいろと感じる事が出来るようになりましたから。父上様のように広い所から探すまでには行きませんけど生き死にくらいなら感じます」
「ならば、適任でしょう。宗矩、経津丸と北斗を連れ捜索艦隊を編成しすぐに出発を」
「はっ、私は御大将のお考えを外れるような事は致しませんが、経津丸様、北斗様の監視の目は確かに守ることをお約束致します」
柳生宗矩、要は二人の命はちゃんと守って行くと言う事なのですね。
流石、真琴様が選んだだけの事はあると言う事でしょう。
「新戦艦を柳生宗矩、武甕槌同型艦の四番艦・毘沙門天・真壁氏幹と平潟港停泊中の五番艦・韋駄天・伊達政道を出させます。すぐに出発せよ」
「はっ、必ずや御大将を救出して見せます」




