第471話 一通の密書
オスマントルコ帝国商人に頼んだバチカンへの宣戦布告の手紙の返事は来なかった。
しかし、一通の小さな小さなメモ紙のような手紙が届いた。
↓イタリア語
「あなたは地球が回っていると知っているのか?」
ただそう書かれた手紙。
差出人も不明。
オスマントルコ帝国商人も船出の際、日本国の宰相に渡してくれと頼まれただけとのこと。
察しは付くが推測で名前を出すのはやめておこう。
俺は今、倒すべきはイスパニア帝国を主軸として連合軍だ。
そして、その先にバチカンが待ち構えている。
バチカンは倒すと言うより、間違いを正す相手。
魔女狩りやそして、天動説。
天動説に異を唱えただけで裁判と呼べる物でないもので死刑を言い渡すような間違いを正さなければならない。
多くの罪のない民衆を殺す魔女裁判、多くの科学者を死刑にするような悪行を止めさせる。
さらに21世紀まで続いてしまう宗教間戦争を起こさせないために何かを考えだし、楔を打たなければならない。
911のようなことはあってはならなく、何十年も続いてしまう中東の争いを止めなければならない。
それだけの事を成し遂げるための軍事力を持ってしまった日本国はその管理者になるべきなのだ。
そして、その軍隊を作ってしまった俺の役目なのではないか?
この一枚のメモのような手紙。
おそらく、俺に接触をしたいのだろう。
助けて欲しいのだろう。
研究の援助をして欲しいのだろう。
科学的根拠から導き出した正解を声高々と叫びたいのだろう。
待っていろ。
今、俺は行くぞ。
1601年1月30日
マイアミ城に旧型南蛮型鉄甲船三隻を残し、
蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦・4隻
新型南蛮型鉄甲船・30隻
高速輸送連絡船・15隻の大船団で、イスパニアへ出航した。




