第456話 オーストラリア大陸ケアンズ城
オーストラリア大陸まで無補給で行く。
風がオーストラリア大陸に押す方に吹けば蒸気機関を止め、帆船になる。
機帆船、実は平成でも見直され燃料の節約にテスト導入がされている。
ただ、帆の操り方が難しいのが難点。
うちの船員は基本的には帆船からの船員なので手慣れた物だが、平成の最少人数の船では難しいだろう。
おそらく、未来の機帆船の帆の操作はAIが使われると予想する。
船は未来に於いても、発展し続ける乗り物だ。
水の星・地球に置いて船はいつまでも変わらない移動手段・輸送手段だと思う。
そんな事を考えながら無補給一週間で、オーストラリア大陸での俺の本拠地ケアンズ城に寄港する。
ここでは、オーストラリア産の石炭や水・食料を補給するのと、日本からの移住民とアボリジニが問題ない生活をしているか確認する。
現在は、前田慶次家臣が奉行となり管理している。
アボリジニから地下資源を買い、こちらからは穀物などの農産品や、鉄の農具や武器、反物、萌陶器を売る、そのサイクルは順調に構築。
それだけではなく、農耕技術提供・住居建築技術の提供をし持ちつ持たれつの関係を築いている。
牛や豚、羊など人が管理が出来る牧畜もする。
これは後々、日本に輸送出来れば日本の食卓事情は変わるだろう。
オーストラリア大陸はアボリジニの物でありながら日本なのだ。
アボリジニも日本の民、それを任せてある家臣に忘れることなきよう、虐げる、差別する事なきよう厳命をする。
アボリジニを差別するようなら、俺もイスパニアのフィリッペ達と変わらなくなってしまう。
そのような事はのぞまないこと。
共に繁栄していくのを強く希望する。
ケアンズ城では視察も兼ねて三泊する。
アボリジニの民を集めた夕飯で、たこ焼きパーティーをしながら話を聞くが、大きな不満はなかった。
それはアボリジニの聖地に土足で踏み込むような事はするなと厳命してあるからだった。
アボリジニの村長から俺ならエアーズロックに案内しても良いと言われたが、今回は時間はないので丁重にお断りした。
エアーズロック、興味はあるが先を急ぐ旅、陸地に何日も入るのは目標が達成してからで良いだろう。
そんなオーストラリア大陸で時を過ごし、一路インド洋を目指す。
今回はパナマ陸路は流石に使わない。
巨船になりすぎてしまったので、陸地を引っ張るのは不可能と判断したからだ。
インド洋をへて喜望峰から大西洋に抜けるルートを選んだ。




