第433話 儂は織田信長
儂は織田信長じゃ。
実はこの物語のもう一人の主人公なのじゃが、まぁ独り言だ、気にするな。
常陸には日本で大人しくしておれと言われたが、そうも言っておれん。
常陸は勝ちすぎた。
勝ち続け過ぎたのだ。
そういう時は必ず失敗をする。
常陸が考える事を先回りして考えなくては。
常陸が書いた地図を見ている。
南アメリカ大陸と北アメリカ大陸の間にパナマ運河に書かれている、書かれているが、ここは陸地だったはず。
常陸と左甚五郎とインカの石工職人か。
運河を造るには時間がかかる。
なら、考えられるのは陸地か?
「坊丸、九鬼にすぐに出陣の陣ぶれをだせ、出陣する。それと、上杉景勝にオスマントルコ帝国に不可侵の同盟の使者を命じる」
オスマントルコ帝国は友好の同盟を申し出てきた。
なら、先ずは不可侵の同盟を結ぶ。
これは常陸も言っていたから良いだろう。
が、儂は自ら動きこのアフリカ大陸の喜望峰とやらを落とす。
蒲生氏郷が手こずっているなら儂の艦隊が応戦してその戦いを終わらせる。
多少の無理はしても喜望峰は落とさねば先には、進めぬ。
常陸が動き出すのは間違いなく、1599年正月開け。
あやつは、神仏を大切にしているから正月は動かぬはず。
それまでに常陸のいる大陸の反対側を目指す。
常陸の戦艦が陸送されれば間違いなく、相手は質より量で勝負を挑むはず。
常陸は勝ち続け油断している。
そこを突かれる。
今、常陸を失うわけにはいかん。
未来の日本を変えるなら常陸には生きてもらわねばならぬのじゃ。
未来永劫続く日本国を造るには必要な男なのだ。
「いざ、カリブ海!出陣」




