第374話 帰城
茨城城の霞ヶ浦に突き出た港廓から入城する。
大手門の鉄黒漆塗風神雷神萌美少女門からの入城ではないのは少し寂しい。
港廓の門も改良しようと決めた瞬間だった。
要左甚五郎相談案件と。
港廓の桟橋から陸地にあがるところには茶々達が出迎えてってくれる。
「お帰りなさいませ。無事の帰国お祝い申し上げます」
「ありがとう。常陸を変わらず守ってくれてありがとう」
などと、茶々と挨拶してると武丸が、
「父上様、お帰りなさいませ」
と、しっかりと子供達を代表して挨拶してきた。
ちょっと武骨な子だったが凛々しく育っている。
感動して涙が出そうだったが堪える。
「父上様、異国の話を聞かせてください」
「武丸、父上様は旅のお疲れが」
「茶々、かまわないよ。みんな取り敢えず風呂に入って語ろうか」
「「「はい」」」
長男・武丸6歳
長女・彩華6歳
次女・仁保6歳
三女・那岐5歳
四女・那美5歳
次男・北斗4歳
三男・経津丸3歳
四男・久那丸3歳
五女・八千3歳
六女・カーネ3歳
七女・ラカ3歳
五男・須久那丸3歳
子供12人と一緒に入る風呂は賑やか、離れていた2年半の月日の距離を一気に縮めてくれた。
ただ、ゆっくりしていられない。
ちょっと早めに済ませたい仕事が出来たので次の日から設計絵図を書き始めた。




