第366話 蒲生氏郷とカーナボーン城(オーストラリア開発編2)
キンボルトン城から西に向かう。
オーストラリア大陸西を任せている蒲生氏郷の様子を見に行くと、ガスコイン川の河口にある島、バページアイランドに海城が築かれていた。
蒲生氏郷の築城能力は高く、俺が口出しするレベルではない。
地形を上手く活用している海城。
俺が海から近づく段階で攻めにくさを感じる。
シャーク湾の地形を利用し、多方向から砲台が設置されている。それなりの数の艦隊で攻め込んでこなければ落とせるような城ではない。
上陸すると出迎えた蒲生氏郷。
「やはり蒲生氏郷に頼んで良かった」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
「ただこの地は、攻め込まれる可能性は低いから、キンボルトン城とダーウィン城の支援に動けるようにだけはしといてね」
「そうですか、ここは攻め込まれにくいのですか」
と、守りの強固な城を築いた氏郷は少し落胆しているようだった。
「インド洋と言う西の海がぽっかりと空いていてなかなか渡航出来ないはずだから、ただ、造船技術が上がればなくはないから大事な拠点でもある地、だからこそ織田家一門である蒲生氏郷に任せたい地なのだから誤解はしないで」
蒲生氏郷の妻は織田信長の実子だ。
「そう言っていただけると、この城を作ったかいがあります」
カーナボーン城には巨大天守7階建てが建設されようとしていた。
広大なインド洋から見れば突如現れる城があるだけでも威圧感はただならないはず。
蒲生氏郷はその辺も計算しているのだろうか。
赤い異色の大地に日本式の巨大天守。
蒲生氏郷のもてなしは受けるが流石に家臣ではないので長居はせず、三日間の滞在で俺は柳生宗矩の城に戻った。




