第310話 和式愛闇幡型甲冑
俺はほとんど甲冑を着ることはないが、甲冑は準備しておかなければならない立場だ。
いつでも戦に出られるようにはしていないといけない。
最近、甲冑師が俺が書いたモ○ルスーツを甲冑にしてしまう珍事が発生したため、思い切って新しい甲冑を作ることを思い付いた。
俺はしばらくは樺太に通いそうなので温かい甲冑が欲しい。
気密性がありながら軽い甲冑。
ふと頭に過ったのは大好きなハリウッド映画のア○アン○ンだ。
それを絵にして、甲冑師に発注する。
俺の体に合わせて採寸をぴったりとして。
マスクになる面も上下にスライド出来るようにし、気密性を高めるため目の部分にはガラスを入れる。
関節などの可動部分には牛革を使用する。
何度か作り直しがされ、完成した甲冑はまんまア○アン○ン。
肌に触れる部分には革が貼られ、鉄の冷たさは伝わらなく、出来る限り薄めに造って貰ったパーツは胴と兜の部分だけは火縄銃にも耐えられる厚さにはなったが、全体的に薄く、使いやすい。
そして、甲冑を着ているとオシッコがしにくいので、そこもスライドで開けるようにして貰った。
なんとも未来的過ぎる甲冑。
「御大将、斬新すぎる甲冑に名を」
と、言うので名付けた。
「和式愛闇幡型甲冑と名付ける」
「御大将、素晴らしき出来の甲冑、是非とも我らにも造って頂きたい」
と、宗矩が言う。
そこで同型色違いを作る事になった。
俺のは金箔と銀箔をふんだん使った物で、宗矩用は漆黒色、他に希望者は幸村と慶次で真っ赤を希望したため見分けるために、慶次には梅の家紋をあしらい、幸村には六文銭の家紋があしらわれた。
意外にも軽いせいか、お初とお江も欲しいというので、作らせる。
真っ赤に桜の花をかたどった金箔と銀箔をあしらった物を作らせる。
二人は喜んでいた。
ん~、造ってしまってから気になったが、これ版権とか大丈夫なのだろうか?
まぁ、今は安土時代だから問題ないだろう。
この甲冑なら、寒くなるのが早い樺太でも、外で作業出来るぞ、と思いながら春の訪れと共に、樺太へ再び行く準備を開始した。




