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第285話 北の大地・樺太到着

 留多加港に着岸すると、すぐに柳生宗矩が武装した足軽を桟橋に並ばせた。


俺と伊達政宗の警護の為だ。


北条氏規は元々は敵、しかも滅亡に近い形に追い詰めた俺がその地に乗り込むのだから緊張がある。


しかし、留多加港を守備している兵達はやせ細り顔色もあまり良くないのが見て取れる。


戦意その物が無さそうだ。


俺が船から降りると、北条の兵士達は片膝を着き頭を下げた。


お江達は落ち着くまでは下船は念の為許可しない。


その事に異議を唱えるほどお江は馬鹿ではない。


船の高い位置から常陸とは違う景色を眺められる事だけでも満足している様子だった。


北の大地樺太は、岩肌むき出しの絶壁と蝦夷松とかなのだろう、本州とは違う植物が生えている。


岩場には海獣達の群れが見える。


鳴き声もする。


まさに異国の風景。


伊達政宗も船から降りては辺り一面を見回していた。


俺はその景色には、平成時代歴史線で北海道旅行で見た沿岸部の景色に似ているなと、感傷に浸っていると、これまたやせ細り腰を曲げ杖を着きながら出迎えた僧侶の顔をじっと見る。


その顔は変わり果ててはいたが忘れない顔だった。


「板部岡江雪斎か?」


「はい、板部岡江雪斎に御座います。お久しぶりに御座います。北端の地に足を運んで頂きありがとうございます。島での案内を任されております」


「そうか、頼んだ。しかし、皆、窶れている様子だな」


「はい、慣れない寒さの地で食料があまり」


と、言う。


海の幸ならいっぱい有るだろうにとは思うが、炭水化物が不足しているのだろう、偏った食事になっているのだろう。


「作物を作る指導を早急に始める。幸村、直ぐに始めよ。板部岡江雪斎、作物の事は幸村に任せてある。人手を手配し、幸村の命に従うようにしてくれ」


「はい、すぐに」


幸村に命じると幸村は、


「今からなら、蕎麦が精一杯かなと思います。収穫する前に寒くなりそうで、他の作物は食料として配ってよろしいですか?」


と、言う。


「その辺も幸村に任せる」


北の大地の夏は短い、仕方がないだろう。


今年の収穫はほぼ望めない。


ただ、畑は作っておかなければ来年以降も作物が作れないから、今回は地均しだな。


「常陸様、宿舎となる館に案内いたします」


と、板部岡江雪斎が言うが俺が返事をする前に宗矩が、


「当面の間は、御大将、伊達様には船で寝泊まりをしていただきます。警護の準備が整い次第、その館に移るとします」


と、言う。


そう言う面は任せるしかないだろう、俺は頷くと板部岡江雪斎は、


「最早、抗う力は北条には有りません。そのつもりもないので、存分にお調べ下さい」


と、言って宗矩は兵を100人ほど連れて館に向かった。


空は夕焼け空、俺と伊達政宗は船に戻ると、桟橋と大地を繋ぐ所に佐々木小次郎が兵200人を引き連れ夜営の準備を始めていた。


警護は念入りだった。





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挿絵(By みてみん)

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