第283話 伊達政宗乗船
鹿島城から出港した俺の南蛮型鉄甲船艦隊三隻は2日かけて仙台にある港に入港すると伊達政宗は甲冑姿でぱっと見ると1000人ほどの家臣団を集結させて待っていた。
俺は船から降りる。
「政宗殿、戦に行くわけではないので甲冑は・・・・・・それにその軍勢は、乗船人数は30名までにしてくれないと」
「そうでしたか、なら急いで着替えて家臣も厳選いたします」
選ばれた家臣の有名どころは鬼庭綱元、支倉常長。
伊達政宗のもっとも重臣と言われる片倉景綱と伊達成実は留守居役。
伊達成実はいざという時の、伊達の跡取りとして任命されているらしい。
伊達政宗と鬼庭綱元と家臣五人は俺の船、一番艦に乗船、支倉常長が率いる残りの家臣団は三番艦に乗船した。
「政宗殿、今回は日本国内ですが蝦夷地の北端、こことは違う風景、気候などを味わうのには良い経験と思い誘ったのです」
「はい、お誘いいただきありがたいです。異国に行きたいと、うちでは言っていたのですが、跡継ぎがまだの為か家臣達に反対されましてね。ですが、樺太、国内ならと小十郎も許してくれたのです」
「まぁ、船旅は必ずしも安全ではないですが、うちの戦艦の家臣は元は手練れの九鬼水軍の者もおりますので、航海術に長けております。安心して船旅を楽しんで下さい」
「よろしくお願いします」
と、頭を下げる伊達政宗を乗せ仙台港を出港した。
伊達政宗の野望と言うより興味は国内の領地を広げるより、世界に出たいという興味に変わっていた。
そんな伊達政宗を乗せた真夏のギラギラとした海の光は新たな世界線の始まりを告げるようだった。
「友人と 夏海進む 新時代」
と、一句読み懐に入れてあるメモ帳に書き残した。




