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第27話 評定「亡命政権・靹幕府」

 1582年9月中旬に新居で落ち着いた頃、俺は安土城の大広間に呼び出された。


流石に中に入るのには場違いかな?と、廊下に座ってると織田信長に中に入るよう呼ばれた。


「常陸、どうした中に入れ、こっちにこい」


廊下から大広間に入ると中にはたくましい武将が両端に並んで座っていた。


織田信長が手招きを繰り返すので上座までズリズリと近付き座る。


「皆のもの、常陸だ、見知っておけ」


と、織田信長が言うので俺は何か言わねばと口を開いた。


「黒坂常陸介真琴と申します」


と、名前だけ言った。


「上様、この者は?」


と、髭もじゃ髪が天然パーマ?で髷を結っている年配の武将が言った。


「本能寺で常陸が光秀を撃った者、常陸がいなければ死んでいた」


列席している武将から歓声が上がった。


「お~この者が上様を助けられたのですか?」


「そうだ、家臣に取り立てようとしたが常陸の希望で客分として召し抱えた。皆、粗末に扱うなよ、わしの客分だからな、鹿島の神に誓わされたわ」


「はは~かしこまりました」


と、列席しているたくましい武将が頭を下げた。


俺はむずむずする、恥ずかしい、場違いな気がする。


後ろに下がろうとすると織田信長に止められた。


「ん?常陸どこに行く?勝家の隣に座っておれ、客分が末席ではおかしいではないか」


え?そうなの?よくわからないけどめっちゃ上座じゃん。


しかも、勝家って柴田勝家?めっちゃ重臣やん。


確か宿老とかではなかったかな?


織田信長が言うのだから仕方がないと、勝家の隣の上座に座る。


でも、ちょっと後ろに下がる。


みんな俺を注視するのやめて。


「皆に言い渡すことがある、わしは征夷大将軍になる」


「え?上様が?」


「征夷大将軍ですか?」


「まだ、足利義昭が生きておりますが」


そう、足利義昭は京の都を追放されたがいまだに征夷大将軍。


毛利の庇護を受け靹城に存在する。


亡命政権「靹幕府」とも言える。


「殺せ」


そう言う織田信長。


だよね。


信長だもんそうなるよね、必要なら殺す。


「いけません、将軍殺しはいけません、この猿にお任せいただきたい」


そう言う猿顔の貧相な顔の武将が言った。


あれが羽柴秀吉か。


「猿、どうする?」


「は、はい、自ら退位するよう説得します」


「出来るなら敵の手の内ではなく、こちら側で幽閉してしまうのがよろしいかと、明智光秀の黒幕の可能性が高いので、毛利がかくまってるのはよろしくはないんですよね」


そう俺が口にすると場は静まりかえった。


「常陸殿、それは真か?」


一人の武将が聞いてきた。


「確か最新の研究では、本能寺の変の前後、足利義昭の動きは活発化したのと明智光秀が足利義昭を復権させようと・・・」


「常陸!話すな」


織田信長に話を止められた。


皆、俺をマジマジと見ている。


ヤバイ、やってしまったか?


「義昭は殺せ、猿」


「は、はい、わかりました」


そう言って織田信長は立ち上がって退室した。


すぐに蘭丸に呼び出され俺も退室した。


良かった~残されてたら絶対囲み取材みたいになっていたよね。


織田信長が廊下におり俺を呼ぶ。


「常陸、あまり話すな、未来の者であるのは隠し通せ、命を狙われるぞ」


そう言って、奥に消えていった。


やはり、未来の者と知れると俺は消されるのか?と、震えた。







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