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第275話 蓮

 ラララ・リリリは茶々の教育のおかげで少しずつ日本の風習に慣れ出してきている。


言葉もかなり改善された。


それでも食事という物にはなかなか慣れない様子。


さらに俺が作る平成飯はどうも苦手な様子。


先日作ったナンはカレーはつけないで食べていた。


「料理、口に合わないか?」


と、ラララが夜伽の時に聞いてみると


「ごめんなさい、どうしても合わないとですです」


「謝ることではない。味覚は幼き頃から染みつく物、そうそう変わらないさ、やっぱりバナナの葉とかで蒸した料理が良い?」


と、聞くとコクリとうなずく。


「バナナとかなかなか手に入らないからなぁ、何か考えるよ」


と言うやりとりをした後日、俺は利根川大改修工事の巡察に小舟で川を揺られながら見ていると、大きな葉に薄いピンクの花が水辺で咲いている物を目にした。


「もう、蓮が咲く季節か、綺麗だな・・・・・・蓮・・・・・・蓮の葉、おおっこれがあった」


家臣に蓮の葉を刈ってもらい乾燥させた物を作る。


その葉を使って梅子が捌いた鶏をジャガ芋と一緒にいれ、蒸籠で蒸し揚げる。


さらに餅米も同じように笹の葉で包み蒸す。(ちまき)だ。


その日の夕食は葉に包んだ蒸し料理を中心に出してみると、ラララとリリリが目尻に涙を浮かべながら食べていた。


「どうした?」


と、慌てて聞くと、


「マコ、二人は故郷を思い出しちゃったんだよ」


と、お江。


「そうではないのですです」


「ちがいますっぺ」


と、ラララとリリリ。


「御主人様が私たちの事を気遣ってくれた料理がうれしくてですです」


「みんなも一緒に薄味のこのような料理食べてくれるなんてと思うと嬉しいっぺ」


と、目尻の涙を拭く二人にお江が


「えっ、これも美味しいよ。マコが作る料理、みんな美味しいよ」


と言うと茶々がラララの背中に手を当て、桜子もリリリの背中をさする。


「バナナとはいかないが、蓮の葉や笹の葉、大葉で包んで蒸した料理なら我々だって食べているから、そうそう無理をしているわけではないぞ、気にしないでちゃんと食べてくれ、ここ常陸に来て痩せ細ってしまったなどと言わせたくないだけだからな」


と俺が言うと、お江が


「マコが単純に二人の豊満な体を維持したいだけなんでしょ?」


と、言いながらお江は手を胸に当てていた。


お江はチッパイだ。


「お江の胸は胸でチッパくて好きだぞ」


と、言うと頬を膨らせ


「なんかその、チッパイの響きに悪意を感じるんだけど~」


と、怒っていた。


オッパイチッパイ夢いっぱい。


言うのはやめておこう。


「こう言った味の薄い料理は子供達の食事にも使いやすいから良いのですよ」


と、桜子。


そう、うちの子供達は離乳食が始まっている。


今日の蒸し料理はそのまま細かくするだけで良かったので手間が一つなくなったとのことだ。


武丸は自らの手でわしわしと掴んでは口に運び鼻息荒く食べている、彩華はお初が匙で食べさせ上品にもぐもぐしており、仁保は蓮の葉を破いて遊んでいた。


我が子の成長は早い。


見ているととても楽しい。











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挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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