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第248話 直訴

 子守りと執務ばかりが俺の仕事ではない。


信頼できる家臣に任せてあっても現場を見に行く、それが俺。


秋の稲刈りを視察しに茨城城と高野城の間にある田畑に出向く。


今回も身分を隠しての巡察。


黒服編み笠姿の柳生宗矩の巡察隊に紛れ込みながら巡察だ。


黄金色に輝く稲を村人総出で刈っている。


「良いできのようで良かった良かったと」


一人つぶやいていると事件が起きた。


農民に紛れながらも、農政改革担当奉行として働く真田幸村に走り寄る年配の者は稲刈りとは似合わない紋付き袴姿。


「お願いに御座います。黒坂家家老・農政改革担当奉行真田様どうかお聞き届けを」


直訴だ、法度などと言うもので取締りはしていない。


むしろ領民の声は聞きたい位なのだが、下々の者が領地を纏める者に対して直訴をする、それは一大事のようだ。


周りの稲刈りをしていた者の手が止まって少し顔色が暗くなり緊張の空気が走ったのがわかる。


幸村は、


「この近くの村の者か?おかしいな、私が任されてる領地ではたまに村長や名主、町役を集めては語り合う機会を設けているのだが」


と、言っているのが聞こえる。


幸村は、領民と上手くやっているのは春の田植えでも感じている。


「申し訳ありません、那珂郡金砂郷村村長、長介と申します」


「ん?那珂郡?あの辺は確か高山右近殿の管理地のはずだが」


「その高山右近様の事で、殿様にお取り次ぎ願うべく、側近の中でも我々農民にもよくして下さる真田様にお願いに来たのでございます」


高山右近の名を聞いた俺は編み笠を取り、


「長介と申したな、聞こうではないか」


と、俺が歩み寄ると稲刈りをしていた者を含め不思議そうな顔をして俺に視線を送る。


当然だ。


領内巡察隊の一人が偉そうに言うのだから。


「黒坂常陸守様御本人である」


と、巡察隊の頭が号令すると、皆がひれ伏した。


「御大将、ここで名乗らなくてもちゃんとこの様な者の言上は聞きますのに」


と、幸村はせっかく隠していたのになぜ名乗るかな?と、言う困り顔をしながら汗を拭っていた。



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