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第246話 いろはにほへと

 命名の紙を持ちながら、お初と桜子のいる部屋に向かう。


二人はすぐ隣通しの部屋で休んでいる。


うちの側室には身分・出身の隔たりはない。


むしろあるなら俺はそれを排除するが、その必要がないのが家の側室達。


二人の赤ん坊もすやすやと寝ていた。


「二人とも大丈夫か?」


「えぇ、大丈夫です」


と、お初は気丈に振舞い、


「はい、御主人様のお子が無事に産めてありがたい限りです」


と、桜子は弱弱しいながらも言う。


「二人とも休んでくれ、どれ二人の娘はどうかな?」


そう、生まれたのは娘、姫だ。


やはり、武丸の時のようにどちらに似ているかなどはわからない顔をしている。


なんなら判別だって難しいのだが、赤子の寝間着に藍色の刺繍糸の線が入っているのがお初が生んだ姫で、桃色の刺繍糸の線があるのが桜子の産んだ姫だった。


すやすやと母親に寄り添いながら寝ている。


「真琴様、もったいぶらないで名前を」


と、お初が言う。


「どちらが先に生まれた?」


と言うと、お初が手をあげる。


「関係あるの?」


「勿論あるとも、「彩華」と「仁保」だからな」


書いた紙を二人に見せる。


「・・・・・・、悪くはないわね。意外とまともに名前考えてくれるじゃないの、真琴様の感性だと伯父上様みたいな奇抜な命名をするかと思っていたのに、奇妙丸みたいな」


と、母親になってもツンデレな、お初。


「御主人様が名付ける名前に異議などあろうはずもありません」


と、控えめな桜子。


「いろはにほへと?」


と、後ろで呟きながら首を捻る、お江。


「そうだ、「いろは」に「にほ」だ」


「ちょっと、その名前の付け方だと三女がかわいそうだから「にほ」までにしておきなさいよね。「へと」は可愛そうよ」


と、言う、お初。


「おっ、おう、そうだな。「へと姫」は、いかんな。四女になったら、「ちり姫」になってしまうし、五女なんか「ぬる姫」!駄目だな。うん、今回限りと言うことで」


そばに控えている側室のお江と梅子と桃子、そして小糸と小滝が安堵の小さなため息らしきものを漏らしているのが聞こえた。


そうだ、側室は多いし茶々達だって第二子を生まないとは限らない。


三女の事を考えていなかったが、「彩華(いろは)」と「仁保(にほ)」は悪くはないと受け入れられた。


武丸、彩華、仁保、一気に三人の父親になってしまった。


孫の顔、親父たちに見せてあげたかったな。


こっそりといつものように写真に収めておく。


未来にデータが残る保証などないのに少ない可能性に期待して。





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挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
史実と変えると思うけど、この時代の子供はほとんど死亡してしまうからたくさんの側室が必要で、20人生まれても数人しか成人しなかったんだよね。。
null姫……存在しなさそう。
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