表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

242/1168

第241話 第一子誕生

1589年8月22日


 夜も明け切らぬ早朝の蜩の大合唱で軽く目が覚めると、城内が早朝だと言うのに慌ただしい気配を感じる。


寝室から出て様子を窺うと、松様が白い綺麗な着物にたすき掛け姿で、大量の綺麗な布を持って走っていた。


「おはようございます。どうしました?」


と、声をかけると


「お印がでましたのよ」


「え?」


「だから、出産が始まります」


「ま、マジっすか?」


「何ですか、その返事は?まぁ良いです」


と、茶々の出産の準備がなされている部屋に走っていった。


俺もそちらに向かうと、二部屋前くらいの廊下でお初に止められた。


「真琴様は何も出来ないのだから、産まれるの待っていて下さい」


「いや、でも様子くらいは」


「待っていなさい」


廊下を通らしてもらえない、習慣、慣例などわからないがこの先は女の戦いなのだろう、立ち会い出産はできない様子。


ひたすら部屋をうろうろ歩き回ると様子を見に来たお江に、


「落ち着きなよ、マコ~」


と、言われてしまう。


正座をしながらそわそわと身を揺らしながら待つ、ただ待つ、長い時を待つ。


まだかまだかと、待っていると完全に朝日は昇る。


暑い日差しが降り注ぐがまだ、産まれたとは言われなくそわそわ、いてもたってもいられない。


俺は、場内にある鹿島神宮の分社に入り祈りを唱える。


「祓いたまへ、清めたまへ、護りたまへ、幸与えたまへ、武甕槌大神たけみかづちのおおかみの力を貸し与えたまへ」


ひたすら神頼みだ。


小さな社殿の外では城で泊まり番だった力丸と政道も玉砂利の上に正座をして、我が子の事のように祈ってくれている。


「おぎゃーおぎゃーおぎゃーおぎゃー」


かすかにきこえる泣き声。


え!?


「産まれた?産まれたのか?」


慌てて社殿から出て、段差に躓き転げ落ちる玉砂利まみれになっていると、お江が走ってきた。


「マコ~、産まれたよ、赤ちゃんも茶々姉上様も無事だよ」


腰砕けになり、立てない俺に両肩を力丸と宗矩が抱えてくれて立たせてくれた。


「おめでとうございます」


「おめでとうございます」


二人は満面の笑みで喜んでくれる。


太陽は一番頂点から日差しを降り注がせ、子供の誕生を祝ってくれているようだった。


10巻10月25日発売☆11巻続刊決定

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

オーバーラップ文庫より

原作1巻再々重版・2、3巻重版出来

書籍版全巻6万文字の大加筆&書籍版オリジナルヒロイン大活躍中&オリジナルキャラ登場

公式無料試し読みサイト

https://over-lap.co.jp/Form/Product/Reader_nvl.aspx?pid=9784865545326&cat=BNK


4巻2023/07/26発売

挿絵(By みてみん)

電撃大王連載中

電撃コミックスNEXT


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i621522 【書籍版案内】 最新情報オーバーラップ文庫公式サイトへは画像をクリック i533211 533215 i533212 i533203 i533574 i570008 i610851 i658737 i712963 本能寺から始める信長との天下統一コミカライズ版☆最新情報☆電撃大王公式サイト i533528 i533539 i534334 i541473 コミカライズ版無料サイトニコニコ漫画
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ