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第199話 開校

慶次が売られていた娘達を買い取った。


それは、奇しくも関東の乱で焼け出され住まいを失った者だった。


俺に買われるなど嫌であろうが、そのような焼け出された者を救うことが目的、いたしかたない。


10歳から18歳ほどの娘達、30人が集まる。


俺は教室となる広間に集めた。


見窄らしい服を身にまとい、青白く痩せこけた者達ばかりが広間で土下座をしている。


俺はお江、梅子、桃子を連れて前に座った。


「黒坂常陸だ、面を上げよ」


皆、カタカタと体から音が鳴りそうなくらい小刻みに震えている。


「皆~、顔あげて~、マコは恐い人じゃないから大丈夫だよ~」


と、お江が言うと一番年上そうな娘が顔を上げた。


「申し上げます。私達は久慈川村から焼け出された村の者、黒坂様は失礼ながら敵にございます。しかし、今この様に買われてしまった以上、私の体は差し出し夜伽を勤めさせていただきますので、他の者達は許して頂けませんでしょうか?」


うっ、慶次なんの説明もなしに連れてきたのか?


「名はなんと申す?」


「はい、あおいと申します。村長の娘にございます」


と、小顔の華奢な宮○あおい風の娘。


「あおい、抱くつもりなどない、安心してくれ。皆の者には城で働きながら勉学、料理、反物の生産をして貰う」


と、言うと皆がちらほら顔を少しだけあげて俺を見てくる。


「巷の噂でなんと聞いたかは知らぬが、取っ替え引っ替え抱くつもりで買ったわけではない。南蛮に遊郭に売られないよう買った。勉学に勤しみ料理礼儀作法を覚えたのちは見合いをして嫁ぎ先を決めるつもりだ」


「そんな、そんなことする領主なんて聞いたことないです」


「ははははははははは、だろうな、だが俺は少しばかり変わり者、今までの常識で見るな。大丈夫、酷い目に合わせるつもりはない、お江がここの取締をする、よく言うことを聞いてくれ。あおい、お主は女達のまとめ役を命じる、生活や、日々の城の掃除の割り振りを決めよ。午前中二時間毎日城を清掃し、三時間養蚕業・反物生産、二時間読み書き算学をお江から学び、二時間梅子達指導の下、城で働く者達の飯を作れ」


取り敢えず手探り状態で決めたスケジュールを言い渡すと、女達はざわめいていた。


「え?そんなんで良いの?」


「絶対、手篭にされるんだって」


「嘘だよこんな生活」


「異国に売られちゃうんだよ」


と、小声が聞こえる。


「信用出来ないのはわかりますが、人買いに売られた私達は側室となりましたが酷い扱いは受けてはいません」


と、梅子が言うと桃子が、


「本当です。御主人様は信用出来る方なのです」


と、言ってくれたがそうやすやすとは信じてもらえないだろう。


「兎に角、衣食住は保証するから働いてくれ」


俺は退室し、あとのことはお江に任せることにした。


女は女同士のが良いだろう。


丸投げに聞こえるだろうが、そもそもが俺はこの時代の人間ではない。


郷に入っては郷に従えではないが、歴史的常識概念が近い者同士の方が良いかと判断した。



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