表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

182/1168

第181話 畜産奉行・高山右近

挿絵(By みてみん)


主に牛、馬、豚の飼育を高山右近に任せて約1年、筑波山の裾野に広がる平地の一角に大規模な畜産城が完成したとの報告があったので視察に出向いた。


新土浦城と高野城の築城と町作りに集中していたので今年は1年が過ぎるのが早い。


畜産場でなく、『畜産城』と表現したのは間違いや誤字ではない。


まさに『城』。


堀は空堀ながら一重の堀を持つ畜産城は、土塁と空堀と木の柵が張り巡らされ、三階建ての小規模な櫓が作られていた。


廓ごとに牛、馬、豚の区画に分けられた小降りな城。


豚は以前から、今井宗久が各地から集めた品種が混在していたが、牛もやはり今井宗久はあっちこっちからかき集めたらしい。


もともといる、黒毛で角が長い農耕牛に混ざって見えるのは・・・?


バッファロー?


こいつって牛?


は?沖縄で海沿いを牛車を引いていそうな牛?


今井宗久、どっから仕入れてきたんだ?


「右近、この牛達は大丈夫なのかい?」


「大丈夫と、言いますと?」


「食べられるのか?ってこと」


「牛は牛ですから、味はともかく」


「柔らかな、脂身いっぱいの牛が食べたいのだけど」


「常陸大納言様、脂身は殺してみないとわかりませんよ」


と、胸で十字をきって祈る右近。


「ん?」


「一頭斬ってみましょう」


と、刀を抜こうとした。


「ちょっと待った、今は良いから、適度に育ったら精肉して送ってね」


「そうですか?味見しなくて宜しいですか?」


「一頭を味見ってちょっとね」


鶏、豚を捌いてるのを見てきてはいるが、牛まで捌くのを見たくはない。


しかも、若いほうが肉が柔らかいだろうと子牛を親牛が見てる前で捕まえてくるんだから、それはやめてほしい。


「牛達の餌にトウモロコシが欲しいのですが」


「あ、えっと、トウモロコシは幸村に任せてるからそっちと話し合って」


「真田殿ですか?」


「そう、幸村を農政奉行に任命してるから。米に片寄りがちな今の農業を改革しているから。今は高野城の築城奉行を優先しているけど、来春からは農政改革始めるから」


「わかりました。真田殿と相談してみます」


「そうそう、農政改革で働く農家に優先で牛達の糞を配ってあげて」


「肥料ですね、売れば金になりますが」


「んー、当家はお金には困ってないから農政改革優先かな」


「はっ、かしこまりました。で、笠間城の改修を始めますが、城下に南蛮寺を作りたいのですが」


「んー、前にも言ったけど笠間は稲荷神社の地だから、城下にではなく、城内に小さなのだったら許可するよ」


「笠間稲荷ですか。常陸大納言様は庇護されるか?」


「俺は常陸国内の寺社仏閣は大切にしたいからね。土浦のほうが一段落したらいくつか整備したい寺社があって、笠間稲荷もその1つだから」


「そうですか、仕方ありませんな」


「くれぐれも、無理強いな布教だけはしないで。一向宗みたいな一揆を起こさなければ布教の制限をするつもりはないから」


高山右近の信仰心ってかなり強いんだよな、確か国を離れてでも信仰し続けるんだから。


厄介な事にならなければ良いのだけど。




原作11巻5月25日発売

オーバーラップ文庫

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

電撃コミックスNEXT

5巻4月26日発売

挿絵(By みてみん)

電撃コミックスNEXT


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i621522 【書籍版案内】 最新情報オーバーラップ文庫公式サイトへは画像をクリック i533211 533215 i533212 i533203 i533574 i570008 i610851 i658737 i712963 本能寺から始める信長との天下統一コミカライズ版☆最新情報☆電撃大王公式サイト i533528 i533539 i534334 i541473 コミカライズ版無料サイトニコニコ漫画
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ