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第136話 妖魔浜松城

「ノウマクサンマンダ バザラダン センダマカショラダ ソヤタラタ ウンタラタ カンマン」


笑いたければ笑えば良いさ。


友達から中二病と言われ続けてきたが、見えたら唱える不動明王の真言。


妖が見えたら唱え続けてきた真言。


街中だろうと所かまわず唱えたから中二病扱いされた力。


しかし、見える者がその力を使わないのは罪だって傲慢だって教えられ育ってきた。


祖父ちゃんに教えられちまったからには使わせて貰う。


「鹿島神道流改陰陽道不滅明王如来 ノウマクサンマンダ バザラダン センダマカショラダ ソヤタラタ ウンタラタ カンマン」


本能寺に戻ったわけではない。


再びタイムスリップしたわけでもない。


俺は今、徳川家康の居城・浜松城に入城した。


そして、感じた妖魔の気。


それは久々に感じる。


陰陽力、お遊びの技と信長で否定されたが封印したわけでもない。


ただ、必要がなかったから使わなかっただけ。


浜松城に入って感じたのは妖魔の臭い、気だった。


蘭丸と力丸は俺が陰陽力を使うのを知っている。


だから、立ち止まってただ見ているが、本多忠勝は戸惑っていた。


奇怪な行動をとったところで槍を向けることは出来ない。


まだ敵ではなく、主家である信長から家臣である家康への使者、槍を向ければ直ぐに敵対の行為になる。


どうしようか悩んでいる。


それを背中に感じながら続ける俺は、腰の小太刀を抜き地面に突き刺した。


「 鹿島神道流改陰陽道不滅明王如来、妖魔封滅浄化邪気退散」


突き刺した小太刀を懐紙で拭き取り鞘に納刀し、


「蘭丸、紙と筆を」


と、筆記用具を出してもらう。


紙に、『鹿島大明神』と書き念を込める。


「祓いたまへ、清めたまへ、護りたまへ、武御雷の御神の名で」


と、言って8枚書いた。


「蘭丸、力丸、これみんな懐に入れて」


と、7枚を家臣に渡す。


残り1枚を本多忠勝に渡した。


「やはり、何か取り憑いていますか?」


と言う忠勝。


「取り憑いているのかはわかりませんが、嫌な気を感じます。まるで明智光秀のような」


「光秀・・・・・・」


そう蘭丸が険しい顔をした。


明智光秀そのものは確かに討ち取っている。


首を斬るところも見ていたから間違いない。


しかし、妖魔を討ち取ったかと聞かれると俺は気を失ってしまったから断言が出来ない。


新たな宿主を見つけ家康に取り入った可能性がある。


誰だ、妖は。


この関東の乱に絡んでいるのか?あの時しっかりと滅殺出来ていなかったのか?それとも別の・・・・・・。


そう考えながら歩みを進め、浜松城の御殿に案内され上段の間に腰を下ろした。


質素な飾りっ気のない御殿は家康のケチと言うのか無駄遣いをしないというのか、なんとも人となりを表す部屋だった。






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