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茶々視点・⑦話・黒坂真琴に挨拶

「あらためまして浅井長政の娘茶々と申します。存じているとは思いますが、母は市、織田信長公の妹です。朝お眠りの妨げをしているお江は一番下の妹で、少し突慳貪にしているお初がその間の妹です。本来なら母が挨拶するべき所ですが生憎母は安土城下に住まう家臣達の家族の混乱を鎮めるため動いているので、失礼を謝るため私がこさせていただきました」


私はお江達の無礼を謝るために御幸の間に正式にお邪魔した。


「はははははっ、迷惑だなんて気にしてないよ。んと名乗りを正式にするのが礼儀なのかな?まだこの時代に慣れてなくて……」


「ん?時代?」


「暴れ馬様それは……」


「あっ!今のは忘れて気にしないで、はははははっ」


何やら秘密な事をがあるのか?森力丸が制止した。


「んと、改めまして生まれ育ちは常陸の国鹿島、黒坂真琴と申します。茶々様。んと、歳くらいは言うのかな?17歳で……」


「暴れ馬殿、それ以上はお控えなさったほうが」


「わかったよ」


「茶々様も暴れ馬殿……黒坂様の氏素性には御触れなきように。上様の御下知です」


「そうですか、まぁ~聞きたいことは多いですが控えましょう。それより妹達の詫びとにとは大変失礼かもしれませんがこちらをお納めください」


侍女に用意させた重箱に入った菓子を差し出す。


森力丸が黒坂様の前にそれを移動して、蓋を一度開け中身を見せる。


ごくごく普通の蒸し饅頭。


「まさか饅頭の下に小判が!?」


「こばん?なんですかそれは?」


黒坂様が聞き慣れない言葉を言うと頭をポリポリ掻きながら、


「あ〜小判はないか?はははははっそうだよね〜」


「饅頭がお嫌いでしたか?」


「いや、甘い物は大好物だよ。ありがとうございます茶々様。しかし、お江達は特に迷惑とは思っていないですよ。慣れない城生活になんも気にしないで接してくれる2人はむしろ張り詰めた気が緩んでありがたい」


「そう言っていただけると助かります。妹達は本丸の暮らしが窮屈なようで、遊んで貰えるのが嬉しいみたいです」


「お江は喜んでいるとは思うけどお初は嫌がってない?」


「ふふふっ、お初はそうかもしれませんね。黒坂様はしばらくは御幸の間に?」


黒坂様に聞くと困った顔をして森力丸の方に顔を向ける。

すると森力丸は、


「上様の御下知あるまでこちらでお守り致すよう命じられておりますので御帰城までの間はこちらです」


「だって、信長様からは領内勝手自由の御墨付いただいてるから落ち着いたらどこか引っ越しするけどしばらくはここに」


「そうですか、私達も母上様の命があるまではすぐ近くの本丸御殿暮らしです」


城の外はまだ混乱が続いているので屋敷に戻れない。


「あの〜茶々様、お願いがあるのですが」


「私に出来る事なら頼まれますが?」


「んと、遊び相手になるのは全然いいんですよ、楽しいから。ただ朝早いのはちょっと止めてもらえません?お江が布団に飛び乗って目を覚ますのはね〜」


「ふふふっ、お江に本当好かれているのですね。普段その様なおてんばをいたさない子なのですが……しかし、お眠りの妨げは止めさせましょう」


「そうしてもらえると助かります。んと、朝飯食べたあと、んと辰の刻過ぎくらいならいつでも、どうせ暇しているので」


「はい、その様に申し付けておきます。今日は挨拶だけにお邪魔いたしましたのでこれにて失礼致します。機会が御座いましたら茶でも」


私は御幸の間をあとにした。







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