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茶々視点・④話・いばらき?の暴れ馬

「茨城の暴れ馬殿がお目覚になられたぞ!」


母上様の目を盗んで御幸の間を見ていると明智光秀謀反から3日目の朝、騒がしくなった。


しばらくして御幸の間に運ばれる膳、部屋の中には森力丸が出入りしていた。


しばらくすると、上下真っ黒の衣服を身に纏った若い背が高い男が御幸の間から安土城天主に繋がる廊下を歩く姿をチラリと見えた。


南蛮宣教師に似た服を日本人風体の者が着ている……そのくらいしかわからなかった。


母上様に見つかるとまた叱られるため、部屋に戻ると、


「姉上様なにをしていらしたのですか?」


お江と貝合わせで遊んでいたお初が聞いてきたので、


「明智光秀を倒したと言う男の顔を見たく御幸の間を覗いていたのです」


「姉上様、酔狂が過ぎます。その様な手練れどうせ、じじいでございましょ?いかにも豪傑さを見せびらかしているような髭を蓄えた臭い男」


「あら、お初、ぱっと見ですが若者でしたよ。豪傑と言うより優男……身重は高い方でした」


「姉上様、その男かっこいいですか!」


「姉様、茶々姉様はぱっと見ただけと言ったでないですか、も〜、お!また当たり〜姉様の負けですよ〜」


お江そう呟きながら貝の柄が合い喜んでいる。


「顔の良し悪しはわかりませんが、もし伯父上様を助けたのが本当なら家臣に取り立てられて当然。それに噂で聞くには陰陽師とか……それが本当なら側近として置かれ大出世……」


そんな話を妹達としばらくしていると、母上様が部屋に入ってきた。


「兄上様は笑いながら怒って出ていきました」


「伯父上様はあの男に腹を立てたのですか?助けた見返りが高かった?もしかして国持ち大名に取り立てたのですか?」


「そこなのよね、どうやら明智光秀を倒したのは間違いないようで陰陽道を修め、剣術も鹿島新当流を習得しているとか……で私にも詳しくは教えていただけなかったのですが、私達の知らない叡智の塊。その為、兄上様は城を与え家臣とするとかなり良い条件を出したのに断ったそうです。なので怒っているのです」


「え?では金を礼に渡してどっか行ってしまうのですか?」


「それなのよ。別になにも望まないらしく……兎に角側に置いておきたい兄上様は客分として城にしばらく住んで、もてなさせろと……で、しばらく御幸の間に住むらしいわ」


「???あの者、武将ではないのですか?宣教師?山伏?修験者?」


「ん〜なんなのでしょう……ただ『いばらきの暴れ馬』と呼ばれる妖封じが家の役目だとか」


「いばらき?」


「なんでも常陸の国のことらしいわ」


「奥州に近いあの常陸でございますか?」


「そうらしいわ。鹿島の太刀を習得しているそうだからもとは佐竹あたりの家臣だったのかもしれないわね。あ〜そうそう、あの者の名は確か黒坂と言うそうよ。で、兄上様は領内勝手自由の神紋血判を渡したそうだから城内ですれ違う事もあるでしょう。あの者は織田家の家臣にあらず、あくまでも兄上様の命を救った恩人であり客人、失礼なきようにね」


「はぁ~」


私はなんだかよくわからず混乱だけが残り、お江は、


「なんだかおもちろそう」


と言いながら鼻歌を歌っていた……。




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