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第112話 お初の方

桜咲き誇る春に安土城に登城して気がつけば、赤蜻蛉が飛び交う季節になっていた。


織田信長を悩ました懸案事項の「銭」「暦」「九州討伐」に一定の助力的提案をすると、信長が点てる茶の味がもとに戻った。


「くはぁ~美味い、信長様のお茶って胃にしみながらも心にも染み込む、不思議ですね」


「ははははは、そうか、美味いか」


素直に「美味い」と、言葉に出してお茶を飲む者は俺以外にはいないらしく、俺が喜んで飲むといつも恐い顔をしている信長も顔はゆるんだ。


「はい、美味しい、茶々も必死に今の俺の顔をさせようと奮闘努力してますが、不味くはないんですが、今一つ物足りなくて」


「そう言ってやるな、年齢と言う味が深さを出しているのかもしれないな」


「だと、思います。信長様が御元気になられたようなので大津に帰りますね」


「言わなんだが、お初が早く帰せと催促してきていたぞ」


「・・・・・・マジっすか?」


お初、怒ってるのが予想できて青ざめる。


飛び蹴りでもされるのではと。


「安心せい、お初にはわしが助力を頼んでいるのだから許せ、戦場に出させないだけ良しとせい、と手紙を出してある、お市が言い含めているだろう」


「なんか、すみません」


そう言って俺は次の日には安宅船で大津城に帰城した。


・・・・・・!


ドーン!


「痛い」


安宅船から降り立つと、船が接岸するのを待っていたお初が予想通り飛び蹴りをしてきて、俺は倒れこむ。


と、倒れた俺に覆い被さるように抱き締めていた。


「いつまでも帰って来ないから心配していたんだから、あんな下手な歌一枚送ってきたきりで音沙汰なしで」


「ごめんなさい」


俺は頭をかきながら謝る。


「お初姉上様が安土に付いていかなかったのが悪いんですよね~」


と、お江が茶々に言うと茶々は扇子で顔を隠しながら


「ね~」


と、同意の返事をしていた。


きっと、その扇子の先には笑ってる顔なのだろう。


「だって、だって」


と、ショボくれ顔のお初の頭に右手を乗せ撫でる俺。


「まぁ~、そのなんだ、一応って言うのか、お初、側室にしたいが良いのか?」


照れながら言うとお初は強く抱き締め、胸元に顔を埋め数十秒黙りこむ。


「お初?」


と、言うと顔を覗かせ、にんまりとした。


「あんたの側室になってやるんだからね、感謝しなさい」


ツンデレなのかなんだかわからない返事が返ってきた。


お初は側室になった。


正室、茶々。


側室には桜子、そしてお初が加わった。


ただ、お初はまだ若い15歳、寝所を共にするのはもう少しあと、それは俺の価値観で倫理感でしかないが、既に約3年、俺といる時間が長いからか理解してくれた。




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