㉝話 黒坂常陸の女の好み
【時系列・原作書籍4巻付近】
黒坂常陸の側室にする為の娘を差し出せと家臣に指示すると、今や飛ぶ鳥を落とす勢い『正三位大納言』の御側になら是非と下は5歳、上は30過ぎの年増まで100人ほどが集まった。
その娘達の名前・歳・家系が書かれた帳面に目を通す。
実の娘や親族の娘、さらには村から差し出させた娘で側室と決まれば養女とすると書かれている。
「小十郎、歳は12歳くらいから18歳と限定せよ。年端もいかない娘や年増は迷惑になるであろう。それとそれなりの家で育った者とせよ。なにも知らぬ田舎娘を送れば伊達家が笑い者になりかねないからな」
「はっ、そうなりますと10人ほどに絞られますな」
「それでも10人もいるのか」
「なにせ大納言黒坂真琴様ですから、縁を結びたい者は多いかと」
「仕方あるまいな。ん~小次郎に黒坂常陸様の好みの女性はどの様な容姿なのか手紙をしたためよ。そのくらいの事なら流石に教えてくれよう」
黒坂常陸に仕える弟・小次郎政道に聞こうと考えるが、
「殿、それはおやめください。小次郎様の身の危険となるかもしれません」
片倉小十郎景綱は首を横に振り止めた。
女子の好みくらいなら問題ないと思うが。
「で、あるか」
「殿、ですか推測は出来ますぞ。あの絵でございます」
「あ~鮟鱇の烏帽子をかぶった南蛮人女か」
「はい。 あの絵から推測致しますと目は大きく鼻筋の通った女子が好みでは?」
「異国人の様な女か・・・・・・その10人の中にいるのか?」
「私もまだ見てはおりません」
「そうか、その女子を一度城に呼び我が直々に見聞する」
「はっ、それが間違いないと思われます。そのように手配致します」
しばらくして黒坂常陸側室候補が城に集められた。
 




