6巻発売・1ヶ月前・特別編SS・秋田県玉川温泉編・東北復興願いを込めて
人物設定300話付近の年齢です。
ちょっとでも東北に興味を持って貰いたく書きました。
南部信直と津軽為信の領地境問題の裁定を下しに自ら出向いた。
東北地方の監視役の俺としては当然のこと。
領地の区切り問題を解決し、せっかくなので玉川温泉に寄ることにした。
湯治場開発は幕府から各藩に出して貰っており、この山奥の秋田県玉川温泉も細い道だが、馬が歩ける程度に切り開かれていた。
十和田湖から南下、二日かけて到着。
出発前、南部信直は、
「温泉大好きの噂は聞き及んでおりましたが、まさか、あの山奥に行くなどもの好き・・・・・・」
「あそこの泉質は特別だからね。 道案内だけ雇うから後は好きにさせて」
「はぁ~そう言うなら。 熊には十分お気を付けて」
「マコに熊って飛んで火に入る夏の虫だよね」
護衛を引き連れているお江はニコニコと言うと、熊を一刀両断した噂を耳にして居るであろう南部晴信は苦笑いをしていた。
ベテランのまたぎ三人道案内をしてくれ俺達20人の一行は到着した。
丸太を組み合わせて造られた平家の小屋が所々に建てられた湯治場。
今もその工事は進んでいる。
総指揮をしている南部晴信の家臣・玉川奉行に丁重な挨拶を受けるが、もう俺の心は温泉。
「挨拶は良い。 すぐに湯に入る」
「はっ、こちらに適温に冷ました源泉風呂がありますので」
案内されると、硫黄で変色した岩で組まれた露天風呂。
「痛い痛い痛いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぐはーーーーーーーお袋さんが痛い痛いうぉぉぉぉぉぉぉぉ、お尻の穴も滲みるーーーーーーーーー」
「マコなに騒いでいるの?」
湯あみに着替えて後から来たお江が静かに浸かった。
「擦れてちょっと傷あるよな所が滅茶苦茶痛いんだよ」
「・・・・・・お尻の穴、なにに使ったの?」
ジト目で見てくるお江、
「使ってないから!」
「そう? 私はなんともないよ」
そう言って肌を軽く湯を馴染ませるようにさすっている。
おかしい?お江も馬に乗っていたはずなのに。
玉川温泉、日本国内トップクラスの酸性湯、自噴量もトップクラス。
また微量の放射線が含まれており、それが数々の万病に効くと平成時代、人気の湯。
しかし、あまり滲みるので早々に出ると、ここを任されている玉川奉行が、
「やはり痛かったですか? 玉袋擦れますからね。 良かったらこちらなどどうですか?」
そう言うと岩場に造られた屋根だけの吾妻屋に案内された。
い草の蓙が敷かれている。
玉川温泉と言えば岩盤浴。
日本では、ここだけと聞いた事がある北投石と地熱と温泉の湯気。
天然の岩盤浴。
ローマ人の風呂映画ではオンドル小屋として登場する。
そこに寝そべると、数分で滝のような汗が噴き出てきた。
水分を補給しながらしばらく寝ていると、日頃悩まされている肩こりが楽になるのを感じた。
いつのまにか隣でお江がスヤスヤと寝ている。
その肌はいつもよりプリッとして美味しそう・・・・・・。
老廃物が流れ出ているんだろう。
1時間ほどで着ていた浴衣は絞れるほどになった。
「マコ見てみて~お肌ツルツル」
お江は喜ぶが俺も嬉しい。
・・・・・・その晩、燃えた。
すると、朝風呂でお江は、
「うぅぅぅぅぅぅ、お股滲みるよ~~~マコ10回もするからだよ~」
と、頬を膨らませながら目は笑っていた。
 




