6巻発売1ヶ月前・茨城県応援・特別SS・水戸市・スタミナラーメン
(人物設定300話付近の年齢)
暑い日が続いて、みんな少しバテ気味。
食欲がないときは麺類がはかどるが冷たい麺ばかりだと胃腸が弱り夏バテになってしまう。
今夜は温かい麺を食べよう。
おっ!そうだ、水戸名物だったスタミナラーメン食べよう。
梅子と桃子に頼んだ。
「桃子、豚レバーと韮ともやしで炒め作って、梅子はラーメンね、シコシコ麺で頼むね」
「はいのです」
「はい、おにいちゃん。 そのレバニラ炒めをラーメンに乗せるのですか?」
「うん、そのレバニラ炒めに醤油のスープをかけて最後に片栗粉でとろみを付けて麺にかける。 麺に絡んで美味しいんだよ」
「熱々ですね、おにいちゃんが満足できるように頑張ります」
最近『おにいちゃん』呼びが定着した桃子は張り切っていた。
その日の夕飯、みんな熱々のスタミナラーメンを汗をかきながら黙々と食す。
ラララとリリリ用は醤油を加えずチキンスープだけで、あとから調味料を入れられる薄味仕様。
「ふぅ~暑いときに熱いものを食べるってのも良いですわね」
「姉上様が珍しく汗だく」
茶々に懐紙を渡すお初、
「夏に熱い物を食べて汗をかくってのも良いでしょ」
「・・・・・・真琴様がそれを言うと邪な思いが詰まっていそうなんですけど~」
お初にジト目で睨まれてしまうと、お江が、
「マコ~汗舐める?」
桃子も続いて、
「おにいちゃんがお舐めになりたいなら私、もっと汗かきます」
すると、側室になって日が浅い鶴美がドン引きしているのを感じた。
「舐めないから!」
「・・・・・・大納言様は汗がお好き・・・・・・大納言様は汗がお好き・・・・・・」
小滝がメモしていた。
「違う、やめて! いや、ちがくないけど舐めないから!」
「そんなことより豚の肝臓が、この様に美味しいとわ」
小滝は下処理をして臭みを消しているレバーに感動していた。
「豚のレバーは加熱して食べないと駄目だからね、あっ、いや、どの獣の肉も必ず加熱してね」
「食中毒予防でしたね、学校で教えなくてわ」
「レバーは鉄分が多く含まれるから、女性には特に良い食べ物だから推奨して」
「医食同源・・・・・・だっけ?・・・・・・でしたね?」
「そうそう、韮も良い食べ物だから、このレバニラはお勧め」
「書物に起陽草と書かれていたっぺよ。なんでも五臓の冷えを取り血の巡りを良くするって三河様からいただいた書物に」
「おっ、そういうのも書かれていたんだ、あれ」
「はい、読まれなかったんだっぺか?」
「漢詩で書かれている書物苦手だから」
「でれすけ大納言」
「姉様!」
小滝にツッコまれていた。
しばらくして昼食に久々に学校直営食堂の様子見を兼ねて食べに行くと、滝のような汗を流しながら3杯目のスタミナラーメンをすすっている本多正純がいた。
・・・・・・大丈夫なのか?腹、ちゃんと噛んで食べろよ。




