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ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
始まりから
12/63

ディリアの戦い

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


アルシュは、アルテナの中にある自身の血の反応を追って誘拐したディリア達を発見する。

オラ、アルシュ。ヤバい事になったぜ。アルテナが誘拐された。

 アルテナの誕生日会場を狙っての誘拐。これからどうする?



 アルシュは、母親ファリティアの傍にいた。

 アルテナの誕生パーティー会場のホールには多くの兵士達が詰めていた。

 アルテナ誘拐され、その行方を追っているも掴めずにいた。


 そんな中、アルテナの母親ヴィクティアは、兵士達に命令を振るっている。

 娘が誘拐されたのに、冷静なのだ。


 これが帝国の実権を握る正妃の器だとしたら、アルシュには悲しかった。


 ヴィクティアが、ファリティアとアルシュを伴って個室に入る。

 一時の休憩の為だ。

 そこでヴィクティアの気持ちが爆発した。


 目の前にあったテーブルを引っ繰り返したヴィクティアは

「あああああああ!」

 頭を抱えてその場に蹲ってしまった。

 アルテナの事が心配し過ぎて、おかしくなる寸前だ。

 そう、外では正妃と振る舞っているも、その内心は、アルテナを思っていた。

 

 ファリティアがヴィクティアに駆け付け抱き締め

「アルテナーーーー アルテナーーーー」

 その腕の中でアルテナの名を呼び続けるヴィクティア。


 それを見てアルシュは、そうだよなぁ…母親ってそういうモンだよなぁ…。


 ヴィクティアの正妃ではない母親の一面を見てホッとしてしまう。


 しかし、アルテナの行方はようとして知れず。

 アルシュは、外に行くとして部屋を出ると、丁度、目の前に伝令の兵士が立っていた。

 

 アルシュが、張り裂けそうなヴィクティアを気遣って

「今、ちょっと、入るのは待った方がいいよ」


 伝令の女兵士が困った顔をして

「そう…じゃあ。数分後にするわ」


 アルシュが

「ねぇ、アルテナの行方は?」


 女兵士が

「もし、国外に逃げるとしたら、飛翔船を使う筈だから、首都の港を閉鎖して飛翔船を総点検しているけど、全く見つからないわ。

 そうなると…国の後ろにある大山脈を越えないと国外には出られない。

 でも、今の所…そこら出たって報告は受けてない」


 アルシュが渋い顔をして

「そうか…じゃあ、まだ、この首都のどこかに…」


 女兵士は微妙な顔をして

「実はね、大山脈を防衛する陸軍はね。

 ヴィクティア正妃様と側室様達の治世に良い顔をしていないの」


 アルシュはハッとして

「まさか…裏切り…」


 女兵士は首を横に振り

「分からない。でも、可能性としてはあるわね。

 空軍は中立、陸軍は皇帝様寄り、海軍は正妃様や側室様寄り

 と、今…折り合いが悪い感じではあるわね」


 アルシュは顔を引き攣らせる。

 内側でボロボロかい!

 何か、こういう確執みたいなモノは…どこでも常なのね。


 女兵士が去り、アルシュは考える。

 これじゃあ、アルテナの捜索なんて上手くいかないぞ!

 先行きの暗さに、考えていると…不意にアルテナが自分の血を舐めた事を思い出した。


「レッドリーレス」


 アルシュの背後に深紅のドラゴンが出る。


”なんだ?”


「オレの血を舐めた相手の居場所を、探り当てるって事は出来るか?」


”可能だが…”


「可能だがって何? なんかあるの?」


”正確な地図との照らし合わせは不可能だ。反応のする方へ追いかけるだけだぞ”


 アルシュはフッと笑み「十分」と答えた。


 アルシュは、再び部屋に戻りファリティアに落ち着けて貰っているヴィクティアへ

「ヴィクティア様、僕、アルテナを取り返して来ます。なので、後々に起こる問題の後処理をお願いします」


「え?」とヴィクティアは困惑の顔を見せると、その前をアルシュは掛けだし、窓から飛び出すと


「行くぞ!」

 アルシュを中心としてレッドリーレスが具現化、爆発と共に空へ爆翔した。

 

 ヴィクティアとファリティアは、窓から顔を出して空を見ると赤い竜の光、アルシュがとある方向へ向かって飛んでいったのが見えた。


 アルシュはレッドリーレスの飛翔によって音速を突破、凄まじい速度で、アルテナの体内にある自分の血、力の反応を追随する。

 向かう方向は…海ではない。陸路の山脈だった。




 アルテナを乗せた中型飛翔船は、山脈の間を縫って低速で進んでいた。

 ほぼ、地面ギリギリの低空を飛翔して進む。その理由は、直ぐ頭上にある濃霧の為だ。

 この飛翔船が通る山脈だけ、視界を奪う程の濃霧に包み込まれてるのだ。

 おまけに、この濃霧は高濃度の魔力が篭もっているので、探査魔法さえも狂わされていた。

 だが、アルテナを誘拐した連中が乗る飛翔船のルートだけはモーゼの十戒の如く、濃霧が晴れて通れるようになっていた。


 飛翔船の室内で、アルテナが目を覚ます。

「ここは…?」


 そのベッドの傍のソファーにディリアが座っていた。

「お目覚めかい、御姫様…」


「ここは?」と怯えながらアルテナが尋ねつつ、右腕に魔法や精霊の力を封印する腕輪が填まっているのに気付いた。

 アルテナは黙ってディリアを見つめる。


 ディリアは渋い顔で

「殺しはしない。とあるヤツの依頼でね。お前を誘拐するようにってね」


 アルテナはベッドの上に座り

「今すぐなら、間に合います。皆様の事は秘密にしますので」


 ディリアはその先を塞ぐ

「ムリだね。御姫様。アタシ等は、それ相応の覚悟で御姫様を誘拐した。暴れるなら、手荒なマネをする事になるよ」


 アルテナは不安げに

「わたくしは…どうなるのですか?」


 ディリアは視線を背け

「それは、依頼したヤツが」


 ドンンンと激しい震動と爆音が船体を揺さぶり、船体は地面スレスレで飛んでいたので地面に船底を擦り付けた。


 ディリアが部屋のドアを開けて

「どうしたんだい!」


 通路で走っていた仲間が

「お嬢、大変だ。右の翼が破壊されて飛べなくなった!」


「はぁ?」とディリアは眉間を寄せる。


 擦って着陸した飛翔船は、右に傾いている。

 飛翔船は両脇に飛行力を発生させる翼が付いている。その右の翼が完全に破壊されているのだ。


 飛翔船を運転するディリアの仲間が、壊れた右側を見ると、赤く輝く竜がいた。

 そう、アルシュである。

 レッドリーレスを高密度化させて、飛翔船の右翼にぶつかって動けなくした。


 5メータのレッドリーレスのアルシュは、飛翔船へ飛び移り、船員達が逃げる。

 レッドリーレスのアルリュは飛翔船の甲板に立ち上がると、そのハンマーの如き竜の腕を振るって、船体を壊しながらアルテナのいる場所へ一直線に向かう。


 船内にいるディリアは焦り、アルテナを連れて逃げようとする。

 アルテナは事態を察した。誰かが助けに来てくれた!

 ディリアは「こっちに来い!」とアルテナの手を引く。

「イヤ!」とアルテナは拒否するも、ディリアはアルテナの腹を殴って大人しくさせ、担いでいった。

 部屋を出た瞬間、レッドリーレスのアルシュが天井を突き破って来た。


「テメェ! 待てやーーーーー」


 アルシュの声が聞こえたアルテナが

「あ、アルシュ…」


 その声はアルシュに届いていて、アルテナを担ぐディリアを掴もうと腕を伸ばすも、ディリアは避けて通路を脱兎した。


 ディリアは船底に出ると、アルテナを簀巻きにして、下部倉庫にあったバイクの後部に縛り付け、バイクに跨がって外に飛び出す。

 そのまま、アルテナを持っていき逃げるつもりだ。


「おんどりゃ! 待てやーーーーーー」


 レッドリーレスのアルシュも来たが、ディリアの逃亡の方が早かった。


 レッドリーレスのアルシュは、船を破壊しながら、外に出てディリアを追跡しようとしたが、船体からナイツ級のゴーレムが飛び出して押さえる。


『このバケモノが!』

『お嬢の邪魔はさせないぞ』

『逃げてくださいお嬢!』


 三体のナイツゴーレムに押さえられるレッドリーレスのアルシュ。

 ナイツゴーレムの力は戦車と同等である。

 もの凄い馬力で、レッドリーレスのアルシュを破壊しようと押さえるも、ナイツゴーレムの腕をレッドリーレスのアルシュが掴み、紙をちぎる軽さで、鋼鉄の腕を引き裂いた。

 そればかりではない。

 戦車級の馬力があるナイツゴーレムを力で圧倒し、押し潰して


「邪魔だーーーーー」


 三体のナイツゴーレムは、あっという間にレッドリーレスのアルシュの屠られて、鉄クズと化した。

 もの凄い力に、ナイツゴーレムを操縦するディリアの兵士達が気絶した。


 アルシュは、ディリアに持ってかれたアルテナを追う。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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