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帝釈天 顎で使おう ホトトギス

タイトル通り。小説書くことも忘れてたりして。

「ンッ……ぐらぁッ!」

重い剣の一撃をナックルで受け止め、押し返す。

相手にも隙ができるが、自分にも隙ができる諸刃の刃。だけど――

氷槍(イス)障壁(エイワズ)!」

投げ入れられた金属片から、巨大なつららと障壁が展開された。

コニーがいるから隙を生む意義ができる。

コニーのルーン魔導は呪符系中距離戦型アミュレットパルチザン。基本的には直接戦闘における援護役だ。

私一人で二体を相手にするのは骨が折れるけど、二人で相手にすればできないことはないわ。きっと。

まあ、しかし、果たして、どうも、攻撃が通っていないみたい。

強力な守護がかかってる。一定以下のダメージは通らないわけね。

「クソッ、何で攻撃が通らないんですかねェッ!」

「ふふふ、何ででしょうネェ?」

こっちの癪に障る石ころ帽子も、早く何とかしないと。

と、まあそこまで考えて、名案を思いついた。

さて、後はどうやってそこまで持ち込むか。

……重装騎士か……。

後ろに手を回して指でハンドサインをする。指示するのは――よし。通じた。

「OK姐さん。まかしとけです!」

びしっとサムズアップをするコニー。

笑顔が可愛い。

じゃなくて。

内ポケットから小瓶を取り出す。中に入っているのは聖水。

バチカンが聖別したもので、霊験あらかたすぎて一般人が使用すると昇天してしまうレベルだけど。

それを頭からかぶり、己の存在を天界に近づける。

「ねぇセーヌさん、何やってるか知らないけど、殺スヨ?」

石ころ帽子がそう言うと、二体の騎士達が同時に襲いかかってくる。

「っさせねーですよ!」

コニーがルーンで障壁を展開する。けど、あの攻撃を抑えることは……できないでしょうね。

2秒と立たずに障壁を打ち破り、攻撃が集中する。そして私は――


「――若いわね。何をしているのか分からないのに攻撃するなんて。」

「ッッ!――ッ!」

剣をそれぞれ片手で受け止めた。

憑依系魔導『神の力ガブリエルエンチャント』。

四大熾天使で、おそらく天使の中で最も知名度が高いであろう天使、ガブリエル。

別名、神の力。

力がみなぎってくる。変化はそれだけではなく外見にも出ていて、眼は赤色、神は白銀の長髪、そして背には天使の翼が浮いていた。

……力の制御がすっっっっごい難しいのよね、コレ。

心を落ち着かせて……coolになれ、セーヌ。

ふぅ。

剣をねじ折るッ!

「フンッ!」

グニャバキッ!

とりあえず武器はコレで使えない。ここからが仕上げだ。

「ッ下がれ!」

石ころ帽子は二体の騎士を下げた。

仕掛けるなら、今。

「コニー、詠唱開始!」

「了解!」

コニーの返答と同時に駆け出す。

「森は歌い、風は笑う《■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■》」

美しき破滅の歌と共に地面が震動する。私は敵を見据えた。

「鳥は舞い、妖精境へといざなう《■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■》」

コニーの周囲に霊脈の力が集まる。私は拳を固く握った。

「私は悲しき取り替え児 貴方を愛する私は忌子《■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■》」

詠唱と共に、歌と共に、一つのルーンが光り始める。私は強く踏み込んだ。

「もしもこれが運命ならば、私は世界を呪いましょう《■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■》」

空白のルーン――《虚無(ブランク)》。私は拳を引き込んだ。

「もしもこれが偶然ならば、私は神を呪いましょう《■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■》」

全ての準備は整った。私は拳で二体の(あぎと)を撃ち抜いた。

「これは乙女の歌 敵を愛した、魔導師の歌《■■■■■■■■■■■■■》 」


光り輝いていたルーンが起動する。

私も数回しか拝んだことのない、コニーの決戦魔導。

「無に帰せ、『絶望と虚無の輪舞曲(ヴィシェフラド)』ッ!」

それは、虚無だった。

光の透過度も反射度も0。ただそこに闇がある。ただそれだけだった。

そして、その虚無はさっき私が上空に殴り飛ばした二体の方に飛んでいって――

「――ッ消エタ!」

二体を消滅させて、消えていった。

「……へっ、ざまあ見やがれです。」

コニーは言いながら片膝をついた。さすがに消耗が激しいようね。

「さぁ、大人しくお縄につきなさい!」

「……言われて従うバカがどこにいますかネェ!」

ですよねぇー。

「おイデ、竜牙兵(Σπαρτοί)!」

パッとばらまかれたのは竜の牙。超高価だけど即効性のある呪物ね。

蒔かれたところから兵士を作り出す、ギリシャ神話に由来する魔導。

まあ、雑魚ばっかりだけど。といっても、暢気に分析している暇はないか。

神の力ガブリエルエンチャント』は雑魚狩りに向いていない。採算は取れないわね。

さっき思いっきり殴り飛ばしちゃったし、コニーを守りながらだとちょっと……かなり不味いかも。

「さーてと、僕はトンズラさせていただきマス。お姉さん方、アデュー!」

まずい。逃がすといろいろ解決できない。

さて、この状況どう切り抜けるかねぇ――

「待ちな、クソガキ。」

「ッ!!」

この声は……

建ち並ぶ住宅の屋根(そう言えば住宅地だったわね)に立つ男。

三十代だが見た目には二十代に見えるその男こそ、九六支部仏閣・山岳信仰課、――

「黒曜!」

「はいはい、オッサンですよお嬢さん方。置いてくなんてひでぇじゃねぇか。」

「だってなんか犯罪者っぽいし。」

「お前もそれ言うかセーヌ!」

どうどう。

落ち着いて落ち着いて。おっさんが屋根の上で怒鳴るとか誰得よ?

っと、敵さんわすれてた。

「忘れてたって顔デスネ……。まあいいさ、やれッ竜牙兵!」

ああ、この流れは……。

「やれ、帝釈天(インドラ)

その一言。

たった一言。

それだけで、場は一掃された。

「イ、インドラをあごで使う、ダト!」

ま、驚くのも無理はないわね。普通こんな事できないし。

「ふん、こんなものなんでもない。ちなみに言っておくが、お前の姿は俺に見えてんぜ、クソガキ。」

「なっ……まあいい。戦略的撤退デス!さよなら(διάλυση)

どろっと影が溶ける。

そして闇に溶けていった。

……。

「終わった、か。あーあ逃がしちゃったわね。コニー大丈夫?」

「大丈夫です。にしても、ちょっと分かんないですね。なんでここに来たのか。」

そう。それが一番分からない。

目的は、組織は、規模は?

「あーそれについちゃ心配ねぇ。烏兎が一人とっ捕まえたそうだ。きれーな嬢ちゃんだったがな。」

……へぇ、そう。

それについてはしっかり問いたださなきゃねぇ。

すんげえ間が開きましたね。なぜかって?


艦これでイベントがあったのが悪い。



しかもでっかい忘れ物してるし(本文参照)

なんなんでしょうねぇ。

まあ、趣味みたいなもんなんで。

無理無い程度にゆっくりやってきます。あしからず。

読者もいないしね。

(後に改稿しました。)

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