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二百五十三日目〜二百五十五日目 ー|染(ぜん)ー

お待たせしました。

続きです。

ループ二百五十三日目。取り敢えずやる事は決まったので妹の撲殺を回避する為に、振り下ろされる角材は枕をクッション代りにして防ぎ、そのまま枕越しに角材を確保。あまりの出来事に驚く妹に足払いを決め、布団で彼女を簀巻きにして自分のベルトで締め付ける。

「よお、我が妹よ。いきなり寝起きに実の兄を殺そうとするとは……。どうなるか分かってんだろうな?」

そう凄みを聞かせて睨み付けながら脅す。効果は抜群だ! だってあんなに生意気だった妹ちゃんが、俺の目の前で簀巻きの状態で小便垂れて命乞いをしてる! あはは! 最高! このまま[見せられないよ!]な事をするのは憚られるから言ってやったんだ!

「先ずは警察に電話しろ。兄貴に殺されかけたってな」

その後はどうしたって? 当然お巡りさんのお世話になったよ! 僕を捕まえた人、取り調べをした人の顔と名前を差し入れのノートに書き込んだんだ! その後? もちろん、みんながお待ちかねの自殺タイムだよ! きゃははは!


ループ二百五十四日目。

今日から書き方を変えた。一個前の俺は何かの薬でもやっていたのか? こんなにテンションの高い俺なんて想像出来ないな。兎に角、今は目の前の刑事さんだ。

やった事は前の俺と同じだ。ただし、一個違うのは是が非でもノートを手放さなかった事。筆記具は持たなかった。ノートと一緒に取り上げられる可能性大。と言うか、現在進行形で奪われた。貴重な証拠物品の筈だ。なんせ表紙に妹の観察日記何て文字をハートマーク付きで書き加えたからな。警察が来る前にね。さてお待ちかねの取り調べだ。

「はじめまして私は「権藤守さん、でしょ?」……あ?」

くくくっ、驚いてるなぁ、この人。本当に面白い。一個前にあった時も試しにループについて話したら「精神鑑定を狙ってるのか!」なんて古臭い刑事物に出てくる感じで左腕で胸ぐら掴んで、凄んで来たもんなぁ。

「知ってるよ? 貴方の名前と顔と利き腕は左って事。だけど矯正してるから普段は右利きだ。なんでこんな事が分かるかって? 貴方とは一個前のループで出会ってるからさ! その時に試したんだ。貴方特有の癖みたいな物を。わざと怒らせて反応を見たんだ。人間いくら訓練されていても長年培ったものが無くなるわけじゃない。貴方の両手利き然り、ね?警察にいて利き手が変わる原因なんて少ししかない。訓練、または実戦における銃の暴発か、はたまた銃撃戦の際の利き腕の負傷か。貴方の年齢から見て、最近十年間に銃撃戦なんてあった事件は記憶に無いから前者の訓練かな? おっ! その顔だと正解だったようだね!

と言うわけだ権藤さん! 今世間を騒がせ、俺の移送中に放送されていたニュース番組で報道されていたループ現象。教えて上げられる事は少ないけど、僕と一緒に同じループ観測者と話をさせてくれるならヒントを上げられるかもね」

完全に俺のペースだった。



目の前の青年が本当の化け物のように見えて仕方ない。なんせ彼は私の名前は愚か、ごく少数の人間しか知らない筈の利き手の矯正、それに基づく推理と過去の情報によって原因まで突き止めた。

この青年が言ったループ現象。確かに手元にある資料に寄ると彼は今日の朝方、妹を殺害しようとしたとして何と最寄りの交番まで自首してきたのだ。その際にノートを両手に抱えており、そのノートの中身は言葉で言い表せぬ物ばかり。日記のようで何処と無く自伝的であり、狂気に満ち溢れた不気味な内容。家族に対する残虐行為を何日も書き綴ってある部分もあった。

もし彼の話が本当の事で日記の内容が事実なら、彼は殺人鬼だ。それも頭に「大量」と「惨殺」が足される類の。

「それと刑事さん? 貴方に一つやって欲しい事があるんだ」

この時の決断を後悔するのは今日が(・・・)終わった後(・・・・・)だった。



「押収したノートに貴方の事を書き込んで欲しいんだ」

今回は下準備の下準備みたいな感じです。

この先の展開はぶっちゃけ、頭に浮かんでないです\(^o^)/

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