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プレゼント  作者: taiyaki
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第二話

 夜になり、まさは自分の部屋にいた。顔に複数の痣を作って。

 両親は何かと理由を付けてまさを殴った。帰って来るのが遅い、成績が悪い、話を聞く態度が成ってない。理由は様々だ。

 まさは机に向かい、椅子に腰を掛けると窓から外の景色を眺めていた。

 下の階にいる両親の悲鳴に近い怒鳴り声が未だに聞こえる。

 まさは窓に映る自分の姿を見た。

 その顔はとても見れる顔では無かったけれども泣いてはいなかった。

 昔はきっと泣いてたであろう、しかし今はまさの涙は枯れてしまっていた。

 泣けば殴られる。だから泣かない。初めはそうしていた。しかし今は泣けなくなっていた。

 そのうち心の底から笑うという行為もなくなった。愛想笑いしかやらなくなった。

 まさは小学5年生にしてロボットみたいになってしまった。一昔前のアニメや漫画のメイドのロボットがいたならきっとこの様な感じであろう、そう思わせた。

 まさは今度は外に目を向けた。

 近所の家での一コマ。家族で笑顔になっておりクリスマスケーキを食べていた。笑い声がここまで聞こえてきそうな程だった。

(僕もケーキ食べたかったな)

 叶わぬ夢と分かっていながらもまさは思わずにいられなかった。

 最後にクリスマスケーキを食べたのは幼稚園の時だった。

 そして枕元に置いてあった靴下の中にプレゼントがあったのも幼稚園の頃までだった。

 まさのサンタは幼稚園までしかいなかった。

 しかし、まさは毎年毎年クリスマスの日には枕元に靴下と欲しいプレゼントを書いた紙を置き続けた。

 絶対に貰えないと分かっていても……毎年、毎年。

 もちろん今年も例外ではない。枕元には靴下があり、プレゼントを書いた紙を置いていた。

(もう眠らなくちゃ)

 しばらくの間外を眺めていたまさは思い出したかのように電気を消してベッドに向かった。

 まさは手に何か書かれた紙を持っていた。その紙を置いていた欲しいプレゼントが書かれた紙と交代した。

 どうやらプレゼントの内容を変えた様だ。

 そしてまさは眠りについた。



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