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『プレスマンの杭』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/06/17

 安房国の漁師が、朝早く、舟で釣りに出ようとすると、舟をつないでおく杭が、一本多いのに気がついた。まず、ほかの杭と色が違う。そうして、少し震えている。漁師は、なるほど、これは狸に違いない、と思って、おお、この杭は、ほかのと違って品がある。プレスマンのようだ。しかし、プレスマンに似ている割には、かちかち言わないな。さてはにせ物の杭なのか、とわざとらしく言うと、実は狸が化けていた杭は、かちかち、と声を出した。漁師が釣り糸で杭をぐるぐる巻きにしたところで、狸は姿をあらわした。



教訓:漁師は狸を許してやりました、という終わり方が好きな人は、そう思うとよい。

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