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混沌のアリス  作者: 里羽
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【第三話:剣と魔法の教室】

 朝の鐘が三度、高らかに鳴り響いた。澄んだ音色が広大な魔導学園ルクシアの空にこだまする。

 石造りの校舎が並ぶこの学園に、新たな一日が訪れる。冷たい朝の空気を胸に吸い込みながら、アデル・セリオルは中庭を駆け抜けていた。


 今日は待ちに待った実技授業の初日だ。その初回科目は――《剣技演習》。


 剣術の授業に向かうため、アデルは手にした校内案内図と周囲の景色を必死に照らし合わせている。


 「たしか案内板では……こっちの方向だった、よな……?」

 少し焦りを滲ませながら呟く。広大な校内は石造りの回廊が縦横に交差し、棟ごとに造りも雰囲気も異なる。まるで迷宮だ。


 「……で、どっちだっけ……?」


 目印にしていたはずの噴水はいつの間にか見失い、代わりに見覚えのない高い塔が視界に入る。

 時間に余裕はないはずなのに、道に迷ってしまった。


 (まずいな……完全に迷ったかも)


 背筋に一筋の汗が伝う。初めての実技授業、それも剣技演習に遅刻するわけにはいかない。内心の焦りが募り始めた、その時だった。


 「迷子、発見。しかもA組のくせに」


 背後から突然投げかけられた声に、アデルははっと振り向いた。

 そこには腰に手を当て、呆れと笑いの混じった表情を浮かべる黒髪の少女――リリス・ブラッドが立っていた。


 彼女は同じ一年A組のクラスメイトだ。鮮やかな赤眼せきがんには明らかに「やっぱりね」と言わんばかりの光が宿っている。


 「……リリス。あー……いや、この石畳の模様が気になってな?」


 アデルは照れ隠しに苦し紛れの言い訳を口にした。だがリリスはため息まじりに首を横に振る。


 「バカなこと言わないで。迷ったんでしょ?」


 「……ぐっ、バレてた?」


 「バレバレ。はい、案内してあげる。ほら、感謝しなさい?」


 「ありがたや、リリス様。さすが俺の光明!」


 「調子いいんだから……。まあ、よろしい」


 リリスは吹き出しそうになるのをこらえつつ、くるりと踵を返した。

 さっそく歩き出す彼女の背中を追い、アデルは安堵(あんど)とともに口元をほころばせる。

 

 (……誰かと並んで歩くのって、久しぶりかもな)


 故郷リーフェルの村では、特異な魔力のせいで周囲から距離を置かれていたアデルにとって、友人と肩を並べて歩くという何気ない行為が新鮮だった。

 リリスが自然に隣にいてくれることが、ただそれだけで嬉しかった。


   ◇


 リリスに導かれて辿り着いた剣技演習場は、想像以上に壮大な空間だった。半円形のドーム屋根に覆われたその内部は、闘技場さながらの円形アリーナとなっている。

 広々とした演習場の床には魔導石が格子状に均等に埋め込まれている。


 既に何人かの生徒は訓練服に着替え、木剣を手に準備運動をしていた。遅れて到着したアデルとリリスも急いで更衣室で指定の訓練着に着替え、演習場へと駆け込む。


 「おう、アデル! リリスも来たか!」


 広い演習場の一角で、手を大きく振ってこちらに合図する生徒がいる。大柄な少年――タガロフ・ライクだ。

 栗色の短髪に陽気な笑顔を浮かべた彼は、炎と地の二属性魔法を操る自称「体力バカ」のムードメーカーである。


 「今日は体動かす授業だって? いやー俺、こういうの得意なんだよなー!」


 タガロフは嬉々として拳を握りしめる。鍛え上げられた巨躯(きょく)に、アデルは苦笑しつつ手を振り返した。


 「頼もしいな。……じゃあ、後で代わりに理論の課題押しつけてもいいか?」


 「それは勘弁……! 理論はお前に任せるって!」


 屈託なく笑い合う二人のやり取りに、リリスもあきれたように肩をすくめる。和やかな空気が流れたのも束の間、突然、演習場の扉が重々しい音を立てて開いた。


 「全員、整列!」


 瞬間、場のざわめきがピタリと止む。現れたのは黒革の実戦用装備に身を包んだ筋骨隆々の男――剣術教師、カイザル・エンターだ。

 日に焼けた肌と身体中に刻まれた無数の古傷が、彼の戦歴の長さを物語っている。その鋭い眼光が一同を射すくめ、一瞬にして生徒たちは背筋を正した。


 カイザルは静かに生徒たちを見回すと、低く、それでいてよく通る声で告げる。


 「貴様らは、今日から剣を学ぶ。しかしまず言っておく——“魔力があるから戦える”などと思うな」


 その一言一言が胸に響いた。教官の厳しい視線と言葉に、演習場の空気が一段と張り詰める。

 カイザルはゆっくりと場を横切りながら続けた。


 「剣を持つとは、己を律し、命を懸ける覚悟を持つということだ。魔法以上に、剣は“責任”だ……忘れるな」


 重みのある言葉に、アデルは思わず息をのむ。


 (……父さんも、似たようなことを言っていた)


 「剣先は嘘をつかない。心が乱れれば刃も乱れる」——幼い日に父から叩き込まれた教えがカイザルの言葉と重なり、アデルは静かに(うなず)いた。


 程なくして、カイザルの視線がすっと動き、生徒たちの中の一人を捉えた。


 「——アデル・セリオル、前へ!」


 突然名を呼ばれ、アデルははっと心臓が跳ねるのを感じた。名指しに周囲の視線が一斉に集まる。


 「はい!」


 緊張を噛み殺しながら大きな声で返事をすると、アデルは一歩前へ踏み出した。

 選ばれた以上、やるしかない。腹を(くく)り、訓練用の木剣が並べられた桶へと歩み寄る。


 並んだ木剣の中から一本を手に取ると、(てのひら)にずしりとした感触が伝わった。

 質量の偏り——普段自宅で使っていた父譲りの片手剣とは重心も刃の長さも全く違う。

 武器が変われば勝手も変わるが、それもまた“鍛錬”だ。アデルは木剣を両手で握り直し、カイザルの前に立つ。


 「構えてみろ」


 鋭い声に促され、アデルは教わった通りの構えを取った。左足を半歩引き、上体の軸をぶらさないよう意識する。

 木剣の切っ先をまっすぐ教官に向け、正眼に構えた——その瞬間だった。


 「ッ——!」


 風を裂く音とともに、カイザルの木剣が一閃した。まるで雷光のような鋭さで襲いかかる打撃。

 寸分の容赦もないその一撃にアデルは驚愕し、咄嗟(とっさ)に自らの木剣で受け止める。


 重い衝撃が両腕を(しび)れさせ、足元が石畳を擦った。受け流したつもりが勢いを殺しきれず、後方へと体勢が崩れそうになる。


 「甘い! 構えが“形”だけだ! 踏み込みが浅いぞ!」


 容赦なく飛んでくる叱責の言葉。その間にも、二撃、三撃と矢継ぎ(やつぎばや)に襲い来る斬撃がアデルを追い立てた。


 カイザルの動きは巨漢の見た目に反して素早く、斬撃の起こす風圧が肌に突き刺さる。


 アデルは必死に木剣を振るい、何とか全ての斬撃を刃と刃で受け止めていく。

 

 しかし受けるだけでは状況は好転しない。一撃ごとに腕は痺れ、足は重心を乱されていった。


 (くそ……このままじゃ押し切られる! 落ち着け……!)


 額に汗がにじみ、木剣の軌道が視界に残像を引く。だがアデルは怯まなかった。


 幼い頃から父と積み重ねてきた修練の日々が、逆境でも奮い立つ心を作り上げている。


 (魔力を剣に——意志を剣に乗せるんだ)


 乱れる呼吸を大きくひとつ整え、心の奥底に(とも)る光を見据える。

 幼い頃から自分の中に宿っていた特異な魔力。それを恐れて萎縮するのではなく、今こそ剣に込める——。


 静かに目を閉じ、そして次に見開いた瞬間、アデルの瞳には確かな決意の炎が宿っていた。


 「——光よ、我が刃に宿れ!」


 木剣に込めた念とともに、アデルの剣が(まばゆ)い白光を帯び始める。白き輝きが刀身を覆い、その輪郭を淡く発光させた。


 《光刃解放ルミナス・ブレイド》――!


 アデルが紡ぎ出した光の魔力が、木剣と一体化して(きら)めく刃と化す。

 次の瞬間、カイザルの振り下ろした強烈な一撃と白光の刃が真っ向からぶつかり合った。


 ガキィンッ! 乾いた衝撃音が演習場に響き渡る。交錯する剣と剣。閃光が火花のように四散し、その激突点から衝撃波が巻き起こった。

 一瞬、辺りの空気が震え、生徒たちの誰もが目を見張る。


 カイザルの木剣は止められていた。アデルの木剣が放つ白光が、確かな強度をもって教官の一撃を受け止めている。


 僅かに拮抗したその刹那(せつな)——カイザルはふっと笑みを漏らし、自ら木剣を引いた。


 「……ほう」


 息を切らしながらも構えを解かないアデルに向け、カイザルは満足げにうなずく。


 「悪くない。今の魔力制御は上出来だ。初日の学生にしては上等な剣技だな」


 思いがけない評価に、アデルは驚きで目を見開いた。鬼教官と恐れられるカイザルの口から称賛の言葉が出るとは思ってもみなかったからだ。


 「ありがとうございます!」


 緊張で強張(こわば)っていた口元がほころび、アデルは木剣を下ろして一礼した。

 心臓の高鳴りがまだ治まらない。全身から汗が噴き出していたが、それでも胸の内には確かな達成感が宿っていた。


 カイザルはなおも鋭い眼差しを崩さず言葉を続ける。


 「だが——その光の剣に頼りすぎるな。魔法頼みで型を疎かにしては本末転倒だぞ。基礎の体さばきあっての剣技であることを忘れるな」


 「……はい!」


 アデルはまっすぐに頷いた。肩で息をしながらも、先ほどまでの動揺は消えている。木剣を両手で握り直し、脇に収めた。


 その時ようやく、周囲の生徒たちは緊張から解き放たれたようにざわめき始める。


 初日の演習で、いきなり高度な魔法剣技が飛び出したのだ。教官相手に怯まず応戦したアデルの実力に、生徒たちの視線は驚きと称賛に彩られた。


「今の見た?」「光属性の剣術なんて使えるんだ……!」と小声で言い交わす者もいる。


 リリスも目を丸くしてこちらを見つめていたし、タガロフは親指を立てて「よくやった!」と言わんばかりに笑っている。

 

 アデルは少し照れくさくなりながらも、その反応に心の中で安堵していた。


 (父さん……今の俺、少しは前に進めたかな)


 ふと父の顔が脳裏に浮かぶ。幼少の頃から鍛えられた父譲りの剣技で、一歩でも成長を示せたのなら——そう思うと嬉しかった。


   ◇


 次に呼ばれたのはタガロフだった。彼は待ちかねたように大きな木剣を選び、威勢よく前へ進み出る。


 「タガロフ・ライク、いきます!」


 雄叫びとともに渾身の力で木剣を振り下ろした。放たれた《剛炎撃ブロッカ・バースト》は炎と地の魔力を帯び、轟音と共に床を揺るがす。


 だが――カイザルは寸分違わず木剣でその一撃を受け止めていた。凄まじい衝撃に床石が砕けかけるほどだったが、教官はびくともしない。


「力はある。しかし足運びが雑だ! 重心を意識しろ!」


 受け止めながらもカイザルが鋭く指摘する。タガロフは振り抜いた勢いで体勢を崩し、悔しそうに歯噛みした。


 「ぐっ……了解っす!」


 タガロフは悔しそうに眉をしかめつつもうなずく。剛腕に頼りすぎて足元が(おろそ)かになっていた自覚があるのか、彼は何度も悔い改めるように頷いていた。


 観ていた他の生徒からは拍手が起こる。豪快な攻防に、皆が興奮していた。アデルもその様子を見て思わず笑みを漏らす。


 (やっぱりタガロフはすげぇな……あいつには俺にないパワーがある)


 同じA組にこれだけの怪力使いがいるのは頼もしい。アデルは心の底からそう思った。


 続いて前に出たのは、獣人の少年ライカ・フェングリムだった。


 銀灰色の髪に獣の耳を持つ彼は、両手に鉤爪(かぎづめ)型の魔導具を構える。


 隙のない構えに場が静まる中、開始の合図と共に小柄な体が風のように疾走した。


 気付けば、ライカはカイザルの懐に飛び込んでいる。彼の爪撃が残像を引きながら幾度も繰り出され、鋭い金属音が立て続けに響いた。


 高速の連撃をカイザルは木剣で冷静に受け流していく。まるで舞踏のような攻防に、生徒たちは息を呑む。


 そしてライカが大きく踏み込んだ瞬間——カイザルの木剣が(ひらめ)き、鉤爪を強打した。一瞬で体勢を崩されたライカだったが、空中で身を翻して四肢で着地する。


 「……隙が少ない。反応も良い。かなり鍛えているな」


 カイザルの評価に、ライカは静かに息を整えながら短く答えた。


 「父の影響です」


 それ以上多くは語らなかったが、幼い頃から叩き込まれた修練の日々が(うかが)える。その背中には、孤独な努力の跡が刻まれている——アデルはそう感じた。


 ◇


 数人の訓練が終わり、カイザルが次の名を呼ぶ。


 「アスラ:マダリオン、前へ」


 その名が響くと同時に、演習場の空気が微かに張り詰めた。

 黒の訓練服に身を包んだ細身の少年が、無言で前に出る。

 その双眸には揺るぎない闘志――というより、冷たい炎のようなものが宿っていた。


 (あれが、アスラ……)


 アデルは剣を握る手に力を込めた。入学直後からなぜか突っかかってくるこの少年に、まだ彼は戸惑いを抱いていた。


 「構えを取れ」


 カイザルの声に従い、アスラは木剣の柄を握った。

 アスラの構えはどこか鋭さと痛みのようなものを感じさせるような雰囲気だった。


 その鍔から、激しいの魔力が波打ち、やがて細く鋭い刃となって空間に浮かび上がる。


 《雷刃浮現ライジング・エッジ》――!


 無音のまま斬りかかるその一閃は、目にも止まらぬ速度だった。

 カイザルの木剣がそれを受け止めると、激しい衝撃波が起こり、床に仕込まれた魔導石が光を弾いた。


 「……速さと切れ味は上々。だが、お前は“力”に頼りすぎる」


 「……それで十分です。剣は“断つ”ためにある」


 カイザルが眉をひそめる。


 「剣は、守るためにもある。お前がそれを知らぬなら――いずれ誰かを失うぞ」


 アスラは一瞬だけ目を伏せたが、何も言わずに後退した。

 アデルは、その背中から何か痛みのようなものを感じた。


 (……アスラ、お前は何を背負ってるんだ)


   ◇


 激闘が続き、生徒たちの息を呑むような訓練が数人分繰り広げられた。

 剣をまともに振るうのも初めてという者は空振りして転倒し、多少心得のある者でもカイザルという高い壁を崩すには至らない。


 それぞれの戦いに一喜一憂の声が上がり、演習場は熱気に包まれていた。


 やがて全ての実技が終了すると、カイザルは満足げに生徒たちを見渡し、「解散!」と告げた。


 生徒たちは安堵と興奮の入り混じった表情で一礼し、それぞれ水筒の水を煽ったり肩を回したりしながら談笑を始める。


 アデルも木剣を片付け、水筒の水で乾いた喉を潤した。吹き抜けの天井越しに見える青空が、先ほどよりも鮮やかに感じられる。


 全身に心地よい疲労感が広がり、肺いっぱいに吸い込む空気が妙に澄んで感じられた。


 「いやー……これは明日筋肉痛確定だな……」


 隣でタガロフが肩を回しながら苦笑する。その表情は清々しく、充実感に満ちていた。


 「にしても、お前の光の剣、ビックリしたぜ!」


 「はは、ありがとな。タガロフの剛腕もさすがだったよ」


 互いに健闘を称え合い笑いあっていると、背後から不意に声がかかった。


 「ねえアデル、さっきの光の剣技だけど……ちゃんと名前つけてるの?」


 振り向けば、リリスが興味津々といった様子でこちらを見ている。その頬にはうっすらと赤みが差し、剣技演習で少し息が上がったのか額に汗が光っていた。


 どうやら彼女も演習をしっかりこなしていたらしい。


 「ああ、えっと……《光刃解放ルミナス・ブレイド》って呼んでるんだけど……変かな?」


 アデルは頭を掻きながら照れ臭そうに答えた。正直、技名を叫んだのは勢いに任せてのことで、後から思えば少し恥ずかしい。


 しかしリリスはクスリと笑い、首を横に振る。


 「ううん、いいセンスしてるじゃない。まあまあよかったわよ」


 「そ、そっか……そう言ってもらえると助かるよ」


 意外な言葉にアデルは目を瞬かせ、それから安堵の笑みを浮かべた。リリスの褒め言葉は素直に嬉しい。


 「次は魔法の授業ね。……あたしの番、ちゃんと見てなさいよ?」


 「はいはい、ちゃんと見てますよ……」


 穏やかな笑いが二人の間に広がった。


 (力だけじゃ、誰も守れない……剣も魔法も、“何のために使うか”が大事なんだ)


 アデルは拳を握りしめた。カイザルの言葉と父の教え、そして仲間との交流が彼の胸に芯を刻んでいた。

 自分に与えられたこの力を、何のために振るうのか——。


 それを学ぶために、彼はここにいるのだ。

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