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『宇宙人は女子会がしたいらしい。』 地球代表JK、銀河の女子力を救う!?  作者: のびろう。


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8/10

✦第七話「あなたの普通が、世界を救う」✦

「咲様。いよいよ女子会、最終議題です」


「……今日で最後なんだね」


「議題は、“あなたにとって女子とは何か”」


「え……そんなの、私が決めていいの?」


「本日のあなたは、地球の代表。すべての銀河女子たちの前で、それを語る義務があります」


「……責任、重すぎるでしょ……」


 


 ◆ ◆ ◆


 


 特設会場は、月面の観測ステーションを模した空間。

 ガラス張りのドーム越しに見えるのは、青く輝く地球。


 その中心に、咲はひとり立っていた。


 向かい合うのは、銀河から集まったすべての女子たち。


 リロの触手が揺れ、エミリナの瞳が潤み、ノヴァは剣を置き、ナムリは時間を止め、クロナは言葉を待つ。


 


 ヴィヴィが静かに問いかけた。


「朝日咲さん。あなたにとって、“女子”とは──なんですか?」


 


 ◆ ◆ ◆


 


 咲は、迷いながらも口を開いた。


「……“女子”って、たぶん、“自分を楽しむ”ことだと思う」


 少しだけ照れながら、言葉を重ねる。


「好きな服を着ることとか、恋に悩むこととか、他人と比べて落ち込むこととか──」


「それ全部、“わたし”でいたいって思ってるから、そうなるんだと思う」


「誰かの期待に応えようとするんじゃなくて、誰かと並んでいたいって思える、そういう気持ち」


「私が“わたし”でいられる場所を、誰かと作りたい……それが、女子会、なんじゃないかな」


 


 しん、と静まる空間。


 でも、すぐに拍手が──ひとつ、またひとつ、増えていく。


 触手で、光で、剣の柄で、無数のかたちで。


 


 ヴィヴィが判定を下す。


「女子会、最終議題──承認。地球文化、銀河交流対象国に認定されました!」


「──やった……!」


 


 ◆ ◆ ◆


 


 その日、宇宙は静かだった。

 誰もが違って、誰もが正しかった。

 だからこそ、誰もが笑いあえた。


 


 ◆ ◆ ◆


 


 地球に帰った咲は、いつもの教室に戻る。


 誰かが髪を切っていたり、ちょっとだけメイクが上手くなっていたり、席替えの噂が飛び交っていたり。


 “普通”が、そこにあった。


「ヴィヴィ、また来るの?」


「もちろんです♪ 次回女子会、すでに銀河のあちこちからリクエストが殺到しております」


「またあんな大変なのやるの!? もうちょっと静かで、平和なやつがいい……!」


「“女子”に平和はありません♪」


「名言っぽく言うなーッ!!」


 


 誰かにならなくていい。

 自分でいることを、誇っていい。

 それを思い出させてくれたのは──宇宙からやってきた、女の子たちだった。


 


 彼女たちは、きっとまた来る。


 理由はひとつ──**「女子会がしたいから。」**



第一部 完

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