表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/10

✦第三話「戦う女子はセーラー服に恋をする」✦

「咲様、本日の参加者は“戦闘民族ガルデア第七部隊所属・ヴァルカ・ノヴァ少尉”です♪」


「待って、それ完全に軍人じゃん!! 女子会のレベル超えてるって!!」


 


 ◆ ◆ ◆


 


「私はヴァルカ・ノヴァ。本日は女子文化という戦場の偵察に来た」


 ……その女は、スカートを履いていた。しかもセーラー服。なぜか片腕にガントレットを装備して。


「我が部隊では、“制服”=“戦闘服”。この“セーラー服”は機動性・視覚効果ともに優れていると判断した」


「いや、完全に見た目で選んだよね!? あとそれアニメの影響じゃない!?」


「だが問題がある。どうやらこれは“男子を威圧する効果”があるらしい」


「どんな誤解!? セーラー服って武器じゃないからね!? というかどこで情報仕入れたの!?」


「女子中学生のSNSだ」


「最も信憑性のない情報源だーーッ!!」


 


 ◆ ◆ ◆


 


 ノヴァは、“視線による意識制圧”を検証するため、近隣の男子校へ潜入した。


 結果──


「撃墜数:11(視線による失神)」

「戦闘不能数:27(言葉を発せずフリーズ)」

「逃走:多数」


「いやだからそれ全部“恋”とか“緊張”とか“青春”の副作用なのよ!! 誤解よ! 誤射よ!!」


「……恋?」


 ノヴァの目が鋭く光る。


「それが……この惑星最大の“精神汚染兵器”か……?」


「違う違う違う違う!!」


 


 ◆ ◆ ◆


 


 咲は、制服を“自分らしさ”で選ぶ日が来たらどうなるか、ノヴァに語る。


「好きな服を着るって、戦うことじゃなくて、“自分を受け入れる”ことなんだよ」


「……受け入れる……?」


「そう。“誰にどう思われるか”より、“自分がどうありたいか”のほうが大事なんだって、最近思うようになってきた」


「──その信念、しかと受け取った」


 ノヴァはその場でセーラー服のリボンをちょっと斜めにし、「これは、私らしさの表現」と誇らしげに立った。


 


 ◆ ◆ ◆


 


 放課後、ヴィヴィ出現。


「本日も華麗なる文化交流、成功です♪」


「成功してたか!? 男子校が半壊してるんだけど!? というか私もう幹事やめていいかな!?」


「次回のゲストは“時間を巻き戻すロマンス観察者”です♪」


「待って、なんかタイムリープっぽいの来たぞ……!!」


 


 制服は、鎧じゃない。

 でも時々、心を守ってくれるものになる。

 それに気づいた彼女は、そっとリボンを結び直した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ