第一章 大学生 4月
不合格です。
読み返す必要のないぐらいの文、いやむしろ単語の域である。
長い受験生活を晴れやかな気持ちで終えたかったがそうはいかなかった。
今さっきまでの緊張が一瞬で僕の足先から流れていく。
3月25日僕は無事に進学先が決まったのである。
ネットでよく見る大学ピラミッドでは3流に位置する大学だ。
4月中ば。
「友達ができたの?」と母に聞かれると僕はなんとか縦にうなずく、すると母は話を広げようとする。
まずい!
急いで話を変える「今日ご飯は何?」確か本日二度目の質問である。「カレーよ。さっきも言ったじゃない。」やっぱりだ。
1時間に2回も同じ質問をされ不思議がる母に少しきょどる僕。
こんな簡単に話題を変えれる魔法の様な質問をただの疑問として使った1回目の俺を軽く恨む。
さすがの僕でもこの空気はまずいと感じ、すぐに会話を終わり自分の部屋に戻れと脳が指示する。
「あ、あ~そうだったね、すっかり忘れていたよ。」
すっかりだなんていつぶりに言っただろうか、しかしまだ反省会を開くタイミングではない会話を終わらせ後は逃げるだけである。
「しっかりしなさいよ、もう大学生なんだから。」
「うん、もう俺二階に上がるね。」そう言って足早に二階に行く。
危なかった、自分の部屋のドアを閉めるとようやく一息付けた。
友達はいる、これは嘘ではない。しかし大学が終わると赤の他人になる。
原因は明白である、不合格である。
単なる不合格だったらここまでにはならなかっただろう僕は補欠から不合格になったのである。
つまりみんなが告白の返事をもらっている頃に僕だけは保留なのだ。
そんな事されたらそこからはもうその子のことしか考えられないのが人のサガである。
しかし、結局は振られた。
OKをしてくれた大学と付き合うことになったがやはりあの大学が僕の頭の中でちらつく、これも人なサガなのか。
4月の上旬、みんなが友達を作っている間僕は何もしなかった、授業でたまたま隣になった人と喋る程度だ。
大学の中には友達がいる、しかし一歩大学の外に出ればボッチである。何とも言えない立ち位置だ。
準ボッチと言ったところか、
準ボッチの生活はかなり単純である。
基本朝学校に来たら友達がいる授業を受けるご飯を食べるそして帰り一人youtubeを見る、最初の頃は友達が遊んでいるインスタのストーリーを見るとつらくなっていたが、慣れとは恐ろしいもので今では何も感じなくなってしまった。
大学1年の時に書いてたのが今見つかったので少し書き直して投稿しました、ちなみに現在は大学3年です。
もしあれだったら続きも書きたいなと思ってます。
またこの物語は半分フィクション半分ノンフィクションです。