VS冒険者たち
剣士
「クルセイダー!!」
アンドリュー
「ガーディアン!!」
称号・・・冒険者は自らの所有する称号を叫ぶことによって称号の能力を自身に付与させることが出来る。
クルセイダーは剣士専用称号。
攻撃力上昇、素早さ上昇、スキル「連続斬り」を獲得する。
ガーディアンはタンク専用称号。
防御力上昇、魔法防御力上昇、スキル「ビッグシールド」を獲得する。
魔法使い
「もーどうなっても知らないからね!マジシャン!」
弓使い
「・・・アーチャー」
マジシャン
魔法攻撃力上昇、魔法防御力上昇、スキル「サンダーボルト」を獲得する。
アーチャー
素早さ上昇、運上昇、スキル「ポイズンアロー」を獲得する。
剣士
「お前の覚悟は認めるが、3人相手じゃ厳しくないか?」
剣士はそう言って飛び込んでくる。
アンドリュー
「っく!ビッグシールド!」
僕はビッグシールドで盾を巨大化させて攻撃を受け止める。
剣士の一撃一撃が手に痺れとして伝わってきた。
魔法使い
「サンダーボルト!」
巨大な盾で前が見えなくて、魔法使いの詠唱に気づかなかった。
サンダーボルトは僕の体を直撃し、これまでで経験したことのない衝撃が体中を駆け回った。
ビッグシールドも解けてしまう。
弓使い
「意外とあっさりだったわね」
剣士
「そうだな」
魔法使い
「なんだか可哀そうだね・・・」
ぼやけた視界の先で3人の声が聞こえた。どうやら近くにいるようだ。
体が痺れてもう動けそうにない。瞼も重く今にも気を失いそうだ。
剣士
「あぁ、話したことはあんまりなかったけど。色々思うとこがあったのかもな」
魔法使い
「そうだね・・・もっと話しかけてあげるべきだったのかな」
弓使い
「そんなこと言ったってしょうがないでしょ、もう終わったことよ」
剣士
「そうだな」
魔法使い
「・・・そうね」
終わったことか。
彼らの言う通りかもしれないな。
これから僕は牢屋なんかに入れられて、臭い飯を食べたりして、終わった人生を過ごすんだろう。
お母さんとお父さんには縁を切られるかもしれない。
そうか、僕は終わったんだ。
剣士
「・・・いてっ」
剣士の声が聞こえた。
魔法使い
「ちょっとあのゴブリンまだいる!私のサンダーボルトで・・・」
どうやら彼はまだそこにいるらしい。
弓使い
「石を投げて私たちが殺せるとでも・・・?馬鹿なのかしら」
彼は石を投げているようだ。
石を・・・投げているのか。
何故。何故逃げずに石を投げているんだろうか。
もしかすると。
僕は重い瞼を力いっぱい開いた。
僕の瞳には石に当たり嫌がる剣士、慌てる魔法使い、弓を引き絞る弓使い。
そして、足から紫の血を流しながら石を投げつけるゴブリンの姿が映った。
彼はまだ戦っていたのだ。
どこの誰とも知れない僕のために、血を流しながら戦っていたのだ。
勝手に終わらせてんじゃねぇよ、お前ら
僕も、勝手に終わってんじゃねぇよ・・・!
アンドリュー
「終わらせて・・・たまるかぁあああああああ!!!!」
剣士
「こいつまだ・・・!」
アンドリュー
「ビッグシールド!!!!」
近くに寄ってきていた3人をビッグシールドの展開によって跳ね飛ばす。
アンドリュー
「逃げよう!!!」
僕の言葉にゴブリンは頷き走りだす。僕も体を起こしてその後を追った。