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バビロン -その1-

戦況が分からないまま、モガミ隊は再び戦場へ向かう。

 カタパルトで射出されたのはいいが、周りは戦闘艦同士が激しく撃ち合っている。捜索の前に敵艦への攻撃優先なのでは?と考えていると中尉からの指令が入る。


「第1小隊で正面の艦を倒す!第2小隊先行せよ!」そう言えば第1小隊に損害が出たと聞いていたが、3機ともいる。良かった。機体の損傷で済んだのか。


 「第2小隊、先行します。」敵艦に向かう第1小隊と別れ、細かい光線が飛び交う宙域へ急行する。「モガミ7、聞こえますか?こちらはモガミ4!」「・・・」この乱戦では返事が出来ないのか、通信障害か判断が難しい。それでも回避運動をしながら接近する。


 ジーク2機と切り結ぶジュピターが見えた。ジュピターは2機を相手にしながらも闘いを有利に進めているように見えたが、盾が無い。よく見ると左腕ごと無くなっている。さすがはシュトローマー少尉、右腕1本だがフェンシングの要領でジークを翻弄している。おまけにジークの近接兵装は戦斧。威力は抜群だが間合いが近い。


 「援護します!」クリス少尉機はシュトローマー機の後ろに回り込もうとしたジークの前に立ち塞がり、剣を構える。すかさずジークが襲い掛かるが、クリス少尉機がすれ違うと同時に爆散した。横薙ぎに振るった剣が胴を切ったのだ。僚機がやられて動揺したのか、残りのジークは逃走を図るがシュトローマー機の剣の餌食となった。


 「モガミ7、報告を」「・・・モガミ8、モガミ9ロスト。本機の損傷率40%です・・・。危ないところをありがとうございました・・・。」「・・・了解しました。直ちに帰投してください。モガミ6を護衛につけます。モガミ6、誘導と護衛をお願いね。モガミ5、第1小隊と合流します。」「「了解」」


 周囲で激しい乱戦が行われているのを横目で見ながら、第1小隊の下へ急ぐ。下手に手出しするとかえって危ない。「モガミ1へ。モガミ4です。モガミ7を救出。モガミ6を護衛につけました」「・・・」相変わらず返事が無い。「急ぎます。モガミ5、付いてきて」「了解」


 クリス機がグングン加速していく。最高速度ではジュピターの方が速いが、機体の軽いルナは加速性能なら負けない。周囲に散らばるデブリを避けながら追走していると、不意に個人回線でクリス少尉から通信が入った。「シン君、援護をよろしくね。でも、無理しちゃダメだよ?」「はい!」「ふふ。もっとフランクでいいよ?」「・・・分かった。クリスの背中は俺が守る。」「・・・不意打ち・・・うん、ありがとう。気合が入ったわ!」


 味方のレパント級と敵のレムリア級が撃ち合う戦場を縫うように進む2機だが、不思議と流れ弾に当たる気がしない。絶対にクリス少尉を守って見せる。決意を新たに進むシンであった。

 

女子の先輩って、イイよね・・・!

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