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15 朝の二人

「おはようございます、兄さん」


 寝ぼけ眼をこすりながら、和樹が布団から起き上がると、目の前には一糸まとわぬ姿の観月がいた。

 和樹の隣に、ぴったり寄り添うように寝そべっている。観月のすらりとした裸体が朝日に照らされて、艶やかなロングの美しい髪が輝いている。


 観月はふふっと笑い、上目遣いに和樹を見た。


「何を驚いているんですか?」


「い、いや、だって、普通は妹が隣で裸で寝ていたら、驚かない?」


「わたしたち……その……え、エッチなことしたんですから、当然ですよね?」


 それはそのとおりだと和樹も思う。

 いわゆる朝チュンというやつだ。


 昨晩、和樹と観月は……一緒に寝てしまった。もちろん、ただ寝たというわけではなく、そういうことをしたということだ。


 観月は恥ずかしそうに、毛布を引き寄せ身体を隠す。


「兄さんがすごく情熱的でびっくりしちゃいました……」


「そ、そうだった?」


「兄さんも男の人なんだなって。それに、兄さんがわたしを求めてくれるのが……嬉しくって」


 観月は顔を赤くしながら、そんなことを言う。

 たしかに和樹は少しがっつきすぎてしまったかもしれない。


「その……観月。痛くなかった?」


「全然、平気です。これでわたしが兄さんの初めてで、わたしの初めても兄さんですね」


 観月が幸せそうに言う。こんなに可愛い美少女が……義妹が、自分のことを必要としてくれる。

 そのことが和樹には嬉しくて、同時に観月のことが愛おしくてたまらなくなった。


 和樹はそっと観月の髪を撫でる。観月は一瞬びくっと震え、でも、嬉しそうに髪を撫でられるのを受け入れていた。


「こんなふうに兄さんに優しくされると、わたし、もっと多くのことを兄さんに求めちゃいそうです」


「どんなことでも求めていいんだよ」


「わたし、兄さんとずっと一緒にいたいです。でも……」


 観月がうつむく。現実問題として、祝園寺の家、そして東三条家は大きな問題を抱えていた。

 半壊した東三条家は、祝園寺家のものとなった。そして、その女性たちも同様だ。


 和樹は、桜子やその母の結子たちを所有物として扱える。桜子たちは白川家など他の勢力から身を守るため、和樹たちの「女」となり、子どもを生むことを望んでいた。

 

 そして、東三条家の後継者たる透子は、和樹の元婚約者だった。透子は今でも和樹が好きで、和樹の婚約者のつもりのようだった。だから、観月に激しい対抗心を燃やしている。それに東三条家の後継者を生むためにも、和樹が必要だろう。


 観月は何の見返りなしに抱かれることを望んで、和樹はそのとおりにしてしまった。和樹の結婚相手が観月でなくても、和樹が観月のことを好きでなくても、観月は和樹の「初めての女の子」になりたいと望んだ。


 もちろん、和樹は観月を大事にしたいと思っている。

 けれど、まだ和樹は観月に告白もしていないし、恋人にもなっていない。もちろん、観月を一番大事にするつもりではあるけれど、それを言葉にできていない。


 観月はふふっと笑う。


「いつか兄さんの一番にわたしがなるんです。でも……今は、もう一度、兄さんのぬくもりを感じたいなって」


 観月はそう言うと、和樹に抱きついた。観月の身体の温かさと柔らかさに、和樹の理性は吹き飛んで……。


 観月をふたたび白い布団の上に押し倒してしまった。


和樹と観月の関係が新しい意味での家族になる……!?


面白い、続きが気になる、二人の初体験おめでとう!と思っていただけましたら


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― 新着の感想 ―
[良い点] 朝チュン、か~ら~の~二回戦! 相思相愛おめでとさん!! [一言] 更新ありがとうございます。 正妻が決まって読者としても安心(笑)。 あとは他の女性たちとどうなるかが楽しみです。 個人…
[良い点] てっきりお約束で邪魔が入って未遂でおわるとおもっていたけどちゃんと結ばれた。 [一言] タイトル回収!! でも他のヒロインも幸せにしてあげたい気持ちも(特に桜子ちゃん)
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