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14 本物の家族

 キスをされて、その甘い感触に和樹はくらりとする。


 やがて、キスを終えて、観月は泣きそうな顔でえへへと笑う。


「わたしを本物の家族にしてください、兄さん」


「今までだって、観月は俺の本物の家族だよ」


「知ってます。兄さんがわたしを大事にしてくれていることは。わたしも兄さんの妹でいられて本当に良かったと思います。でも……もし兄さんが誰かと結婚したら、わたしたち、今までの関係ではいられません。一緒の家に住んで、ご飯を一緒に食べて……そんな幸せが失われるのが怖いんです」


「そんなのは遠い未来のことだよ」


「遠い未来でも嫌なんです。だから、わたしが今、兄さんと結婚すればいいなって」


「結婚は俺たちの年齢じゃできないよ」


「そうですね。でも、この場でできる結婚もあります」


「え?」


「既成事実がほしいんです、兄さん」


 観月はそう言うと、和樹の頬にちゅっとキスをした。

 つまり、観月は和樹に抱かれたいということのようだった。


 観月が切なげに訴える。


「見返りなんていりません。わたしにそういうことをしたからって、本当に結婚しろとも言いません。兄さんがわたしのことを好きでなくてもいいんです。兄さんには、透子さんたちがいますから……。でも、兄さんの初めての女の子は、妹であるわたしがなりたいんです」


「それは……」


「わたしのたった一つのお願い、聞いてくれませんか?」


 必死な様子で観月は言う。

 ここまで、観月が自分のことを思ってくれるのは、和樹にとっても衝撃だった。


 ずっと二人で暮らしてきて、でも、観月はこんなにも自分を想ってくれていて。

 目の前の美しい少女に、和樹はたまらない愛おしさを感じた。


 和樹は観月の手をつかみ、寝返りをうつようにして、観月と体勢を反転させる。

 今度は和樹が観月を布団の上に押し倒す格好になる。


「あっ……」


 観月が小さく、甘い吐息を漏らす。


「兄さん……」


「俺も観月のことだけは失いたくない」


「そ、それって……」


「俺も観月とそういうこと、したいと思う」


 観月は固まり、それからぱっと花の咲くような笑みを浮かべた。


「ほ、本当ですか……?」


「嘘なんかつかないよ」


「嬉しいです。兄さんがわたしに、そ、そのエッチなことをしてくれるなんて……あっ」


 和樹は観月の唇にそっと自分の唇を重ねた。

 それは情熱的なキスだった。

 

 キスを終えると、観月が微笑む。


「子供は何人がいいでしょうか? 透子さんと桜子さんみたいな可愛い女の子が二人とか、憧れますよね」


「気が早いよ」


「早くなんてありませんよ。だって――わたしたち、今から結婚するんですから」


 観月がいたずらっぽく目を輝かせる。

 そんな可憐な観月に、和樹はそっと覆いかぶさった。


 和樹が観月の下着に手をかけると、観月は「あっ、兄さん……」と幸せそうな、甘い声を上げた。



二人の初体験……!?


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― 新着の感想 ―
[良い点] お互い覚悟を決めてついに結ばれそうなところ。 [気になる点] といいつつ寸前で邪魔が入りそう… [一言] ここまできたらそのまま添い遂げてほしいかな。 そのあとハーレムになるのは仕方ないに…
[良い点] やっぱり義妹って素敵やな [気になる点] 二人の結婚式(意味深)もしかして割愛!? [一言] ちゃんと女の子の覚悟を大事にする主人公ええね。 大事にしたいとか馬鹿言って覚悟をゴミ箱に捨てる…
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