準備
完成した。それは戦後初の純国産戦闘機を目指した『JF-1』、爆撃機『JBL-1』等、駆除隊に配備される航空機に搭載される予定のエンジンだ。
『JR10-25』という名を冠したこのエンジンは二重星型10気筒、総排気量25.41Lの空冷エンジンである。
一部設計が国内産小型飛行機用エンジンからの流用であるとは言え、開発開始から僅か3ヶ月という異例の速さでの完成だった。
駆除隊に使用される航空機と、そのエンジンには命名規則が設定された。今回完成した『JR10-25』もその規則に則って命名されている。
最初の『J』は『Japan』の『J』で、次の文字は英語で放射状エンジン、つまり日本で言う星型エンジンを表す『Radial Engine』から頭文字を取ったものである。数字に関しては、気筒数と排気量を表している。
現在は研究段階であるが、ジェットエンジンについても規則が決定されており、アルファベットは『Jet』から取られる為、『Japan』と合わせて『JJ』となる。
また、ジェットエンジンに気筒数や、排気量という概念は無い為、保証高度を1000ft単位で表したものと、推力、単位(kN)で表わされる。
現在、ジェットエンジンは保証高度50000ft、推力80kNを目指して研究が進められているが、これが完成した場合、型名は『JJ50-80』となる。
機体の型名はもっと単純であり、『Japan』の次に、戦闘機であれば『Fighter』の『F』、攻撃機であれば『Attacker』の『A』、爆撃機であれば『Bomer』の『B』、偵察機であれば『Searcher』の『S』が付き、開発した順に番号が付けられるだけである。
その後に、ちょっとした仕様の変更に伴い、最後のアルファベットが『A』から順に進んでいく。
また、爆撃機だけは例外的に、『B』の後に、サイズを表すアルファベットが追加される。
大きさは、小型、中型、大型、超大型とあり、『Light』『Middle』『Heavy』『Giant』となっている。