表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

因果

 あの一件の後、幸平は半年ほど仕事をしていなかった。いや、させて貰えなかったという方が正しいだろうか。とにかくあの後9月までは何をするでもなく寮で時間を浪費していた。

 9月も24日になり、ようやく残暑の中に涼しい日がちらほらと出始めてきた頃、幸平に広報室への転属命令が下された。

 それが、7年前のこと。

 幸平は今、特殊害獣駆除隊への転属命令書を受け取り、寮の引越し準備をしているところだった。


 駆除隊が編成されるという話を聞いたとき、待ってましたとばかりに転属願を提出した。

 編成された初年度では、新規採用で人員を補うのは難しく自衛隊からの転属希望者を募っていたのも相まって、快く受領して貰えた。特に広報室長の栗原純一(クリハラジュンイチ)二等海佐は今は亡き永田一佐の同期入隊で、あの一件で異動してきた幸平をよく気にかけてくれていた。それ故、幸平が転属願を持って行った時は、「必ず通す」と言って受け取ってくれた。


 転属願を提出したのは1ヶ月程前、ちょうど駆除隊の一期生達の合格発表の日だった筈だ。それからは、転属命令が出るのを今か今かと待ち望んでいたが、それが今日、転属命令が下った。

 何の因果か今日は3月13日。永田一佐の7回目の命日だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ