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その時のメインとなる人物の紹介をここに載せることにしました。

参考までにどうぞ。


人物紹介

ダラン・ケイリー:主人公。今でいう小1。

ナルマ・シントライ:主人公のクラスメイト。町一番の貴族。 

クロウスラー:王都でのダラン達の引率係。神の第十団所属。30代。

エマ:クロウスラーと同じ。20代前半。



「ではそろそろ参りましょう」

「二人とも準備はいいわね。じゃあこの乗り物に乗って頂戴」


説明を終えたクロウスラーがそう言ってテレポートの準備へと移る。

エマもダランとナロウを4人用テレポート機の“ヘイスター”に乗せるとしっかりベルトを締めたかの確認をしていく。

ヘイスターが発明されるまでテレポートは術師と手をつなぐしか他者を移動させることが出来ず、術途中で術師と手を放してしまった利用者が出てしまうなど事故も多発していたらしい。

しかしヘイスターは移動させたい人数に合わせて座席が用意されており、ベルトで人を椅子に固定することでそういった事故を防ぐことが出来るようになった。


「よし、しっかり椅子の横の手摺を握っていてね」


エマが、ダランとナルマに片目を瞑り、二人の安全を確認すると操縦席へ座った。

先に操縦席に座っていたクロウスラーは、エマの準備が整ったのを確認すると、声高らかに出発の号令をかけた。


「では出発する!」


そうクロウスラーが宣言した後、ヘイスターは目が痛くなるほどの光に包まれる。

ダランは思わず両親の顔を振り返ったが、両親の表情を見る間もなく視界が大量の白で覆われた。

しかしダランがテレポートによる浮遊感と、ヘイスターの周りを包む光に不安とドキドキで心臓の鼓動が激しくなったのは一瞬のことだった。何故ならば、あまりの眩しさに思わず瞑った目を開けた瞬間、一同を乗せたヘイスターは王都にある測定会場に到着していたのだ。



「うわー!すごい!ひとがいっぱいだ…」

「これみんなおれたちとおなじでそくていかいにきたひとたちなのか?」


ダランとナルマは会場に溢れる人に圧倒される。白を基調とした大聖堂前の広場には町の人間を全て集めたよりも遥かに多い人が集まっていた。

普段とは明らかに違う場所に来たとわかる空気感にナルマの尖らせた髪も心なしかふわふわと揺れている。



「ここにいるのは今年の測定者やその家族。さらには君達が将来通う可能性が高い学園関係者や王都の能力診断を行う教会の人間達だ」


ナルマの質問に対し、クロウスラーは生真面目に返答する。

子供だろうと適当にあしらうことなく、学園関係者という言葉にさらに反応したナルマに対し、どの集団がどの学園の人間なのかを指し示した。


「一番右の濃緑の服のがウィズナー国一の学園“クグフスト学園”だ。共学ではあるが、男女の校舎は別だ。魔術学、魔法学ともに世界随一の研究施設が揃っている」


クグフスト学園の制服を着ているのは男女それぞれ2人ずつ。高等部ぐらいだろうか。能力値を表す髪色がみな濃く、力があることを如実に示している。


「真ん中奥で私達と同じ服を着た女性と話している白服が“白百合”だ。あそこは女学院になる。男性との不用意な会話は厳罰ものだから気を付けるように」


そういって次に示された先にいたのは、まさに学園の名の通り白百合のように清らかな雰囲気を持つ女性達の集団だった。高等部と中等部から来ているのか年齢層は違うだろうが、皆一様に上流貴族の清廉さが漂っており近づくなと言われずとも近寄りがたい集団だった。


「向こうの階段上にいるのが“大海園”。青のマントを身に付けるのが特長だ。ここは完全実力主義の完全共学だ。一年を通して生徒、教師関係なく戦闘実践が行われる超体力主義だな。ちなみに私の出身校だ」

「私もそうよ~!海に囲まれた島国だから、海獣との戦闘に一番慣れているのが特徴の一つかしら。海軍志望ならここに入るのが一番ね!」


あのマント懐かしいなー!というエマ達の言葉の先にいたのは、体力主義というのが容易に想像できる筋肉ダルマのような男女の集団だった。明らかに力技が得意そうな、しかし無駄のなさそうな筋肉に圧倒されてしまう。

クロウスラーが出身というのは、クロウスラーの筋肉質な見た目から納得できる。だがエマも同じとは意外だった。


(エマさんも実は筋肉ダルマなのかな?)


女性相手に些か失礼なことを思うダランを他所にクロウスラーは説明を続ける。


「そして一番左が“アーシャ”。ここは決まった制服がないが全員が学園のエンブレムのワッペンを身に付けているのでそこで判断できる。4つの学園のなかで一番生徒数が少なく、主に治癒学を得意としている」


受付横の一番左にいたのは、確かに全員違う服を着た人達だった。

治癒学が得意ということもあり、ダランの母と同じく光属性の髪色を持った人ばかりで優しそうなゆっくりとした空気が流れている集団である。

その雰囲気はダラン達のような測定会に来た子供達の受けもいいのか、受付を手伝っているようだった。



大まかに4つの学園の説明を受けたダランとナルマは、いきなり与えられた情報量に目を丸くしていた。


「へー!みんなぜんぜんちがうんだ」

「ぼく、おぼえるじしんないや…」


感心するように呟くナルマを尻目に、ダランは自信なさげに溜め息をつく。

測定会の結果次第ではすぐに入学する学園を決める者もいるという。一度目の測定会で能力値の発見をさせる子はあまりいないらしいが、自分がこれから何年も通う学園を今決めろと言われてもよくわからないというのがダランの本音だった。


「別に焦る必要はないわ。二人とも今回が初めてってことは小等部に入ったばかりでしょ?その年でいきなり引き抜かれるなんてなかなかないから緊張しなくてもいいわよ」


不安そうな顔をするダランの頭を優しく撫でながらエマがそう声を掛ける。

クロウスラーも「その通りだ。それよりも先に受付をすますぞ」と言って受付へと歩いていく。

そんな二人の様子を見てダランはもちろん、ナルマも「そんなものか~」と呑気に受付へと歩を進めるのだった。


更新不定期ですみません。ストックを溜めるか、すぐ投稿するかで悩みますね…。

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