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子守唄



 まぶたがふるえる。

 こわくて目を閉じられない。おそろしくて目が開けられない。

 たいせつなものなんかつくらなければよかった。温かみなんか知らないままでよかった。ふりはらえばよかった。ずっとそうしてきたように。

 失うかもしれない恐怖にあとなんどおびえればいい。

 永遠も。不変も。ラブソングのなかにしか存在しない。よく知ってたはずなのに。

 ……ムカつく。

「イテっ」

 気持ちよさげに寝てんな、バカ。

「イデデっ、なに、なんなの」

 だれのせいで。こんなに。ヒゲ伸びすぎだっつの。

「眠れないときはおこせばいいって、たしかに言ったけどさぁ。もうちょっと優しくさぁ。 ……ほら。おいで」

 かたくて寝にくいのに。たまにイビキかくから迷惑なのに。煙草くさくてやなのに

 ドク。ドク。ドク。

 これじゃないとおちつかない。

「いいコ、いいコ」

 調子のんなコラ。

 ドク。ドク。ドク。

 まぶたがふるえる。

 熱いなにかがこみあげてくる。

「だいじょうぶ。明日も。ちゃんとおこしてあげるよ」




 

 

 

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