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ことほぐ



 あのひとの文字で書かれたわたしの名前。

 はらいが大きめの、角ばった。

 ゆびでたどったら。

 ちょっと、はずかしくて。

 すごく、うれしくて。

 こんなにも。

 自分の名前がいとおしい。


 あのひとは。

 いっぱい話すとかじゃないけど、いっぱい話す子を見てるときのふにゃ、って笑顔が。

 弓をかまえるまっすぐな横顔も。

 階段の手すりをすべるゆびとか。

 ジャージをはおる背中に。


 あのひとのぶんは最後にした。

 宛名がなかなか書けなくて。

 顔がうかぶから。

 ちょっと、はずかしくて。

 すごく、うれしくて。

 深呼吸。

 まっすぐ丁寧に。


 あのひとは。

 うたた寝してる前髪をゆらす風。

 ふたりきりでなにも話せなかったバス停の灯りを。

 右ちょっと下。いつもついちゃうごはん粒も。

 マフラーは鼻までうずめて。


 あのひとから。

 わたしから。


 すこやかな毎日を。

 たくさんの幸いを。

 今年さいしょの。

 新年のお祝いによせて。



 “あけましておめでとうございます”







 

 

 

 

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