表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/28

いとし



 はじめてあなたと言葉をかわしたあの日。


 花びらがあなたの肩へ舞いおりた。


 その甘いような匂いに。


 ほほえんだあなたに。


 酔ってわたしは。


 あなたに恋をした。




 はじめてあなたとゆびさきをからめたあの日。


 波に足をさらわれながらたくさん話した。


 風のいたずらで。


 ふたりの髪がまじりあって。


 目をとじてわたしは。


 つよくにぎりかえした。




 はじめてあなたにふれたあの夜。


 カーテンのすき間から月がみえた。


 淡いあかりをたよりに。


 奥へ、もっと奥へと。


 熱にうかされてわたしは。


 あなたにおぼれた。




 はじめてあなたの涙をみたあの日。


 みぞれまじりの雪があなたを濡らした。


 のばしたわたしの手をあなたは自分へひきよせ。


 くちびるからもれる息でほほをあたためあった。



 涙もかわいたころ。


 雪は砂となって地上を埋めた。




 はじめてあなたをみおくったあの朝。


 空はどこまでも青く。


 花はほころび。


 波はまぶしくきらめき。


 風はほほをやさしくなでた。




 はじめてあなたの声をきいたあの日。


 わたしはあなたに恋をした。







 

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ