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俺と愉快な能力者共  作者: エンゲル圭佑
学校   〜命懸けの友達作り編〜
5/6

四話    説明しますよ、契くん

  この学校、超能力者育成施設の授業は、三時間目までだ。

   先ほど・・・俺は激闘の末、雨野を倒した。

   馬場野原は、「流石ぁ!宇治原校長から聞いてるぞ!お前は逸材となぁ!」

   ・・・と言っていた。勝つ瞬間見てなかったくせにっ・・・!

   とにかく、俺は一日目を乗り切ったんだ!っしゃあ!


   まぁ明日もあるけど。だって今日月曜日だし。


   ま、まぁ明日のことは明日考えよう!

   今は6時、夕食の時間だ。

   ここの食事は、好きなものを取って食べる、バイキング方式だ。

   流石、都会っ・・・!

   最初は、ぼっち飯を覚悟していたが・・・


「冴木くん、これ美味しいよ。食べるかい?」

「アイス、うまい。」

「咲良ちゃん・・・ご飯も食べなきゃだめだよぅ・・・」


   折村、麻島、鎌田と一緒に食べることになった。

   良かった・・・!俺はぼっちじゃない!!!

   ていうか麻島はアイスばっか食ってるな・・・太るぜ?


「麻島ちゃん、太るよー?ぐばはぁぁぁぁ!!!」

「だ、黙れっ・・・!ボクが太るわけ、無い・・・!」


   麻島に殴られて折村が3メートルほどゲインしたッ・・・!

   良かった、口に出さなくて・・・!

   てゆーか、どうなってんだ、麻島の腕力・・・


「折村、女の子にそういうこと言っちゃダメだろ」

「なっ・・・冴木くんは俺の味方だと思ったのに!」


   ごめん折村。変態セクハラ野郎と一緒にされたくはないんだ・・・!


「あ、そうだ・・・えーと、鎌田?」

「っ!」

「そういえば、まだ自己紹介してもらってないなー・・・って」

「あ、いや・・・わたしは・・・」

「そうだね、この機会に済ましちゃいなよ、鎌田ちゃん」

「うぅ・・・」


   俺と目もあわせてくれない・・・


「鎌田・・・姫守めもりです・・・」


   静寂が訪れる・・・

   何なんだ、この空気


「好きな、食べ物とかは・・・?」

「ひ・・・秘密」

「じゃあ、何か、趣味はあるか?」

「無い・・・よ」


「じゃあさ!スリーサイどぅわああああああ!!!!」

「死ね」


   うぅん・・・会話が弾まないな。

   

「姫守、緊張してる。」

「だ、だって・・・顔が、ちょっと怖い・・・んだもん」


   ショック!俺ってそんな怖い顔か!?


「あぁ、たしかに俺も、冴木くんって表情固いなーとは思っていたよ。」

「うーん・・・」


   この学校に来てから、緊張しっぱなしだったからな・・・

   でも女の子に怖がられるのは精神的にキツい・・・

   よし!ここは、冴木流奥義・100%仏スマイルを使うしかないぜ!


「鎌田姫守さん・・・こわくないよ・・・大丈夫、こわくないよ・・・」

「咲良ちゃぁん!!!怖いよぅ!!!」

「よしよし。・・・冴木、やめろ。」

「すいませんでした・・・」


   馬鹿な、もっと怖がられた。

   100%仏スマイルが効かないなら、どうすれば良いっていうんだ。

   ・・・あ、そうだ


「好きな動物は?」

「・・・動物?」

「えーと、これも秘密か?」


「うぅん、動物大好き・・・!」


   つ、釣れたっ!!!


「猫っ、猫大好きなの!」

「そうか!猫なら俺の家の周りによく集まってたっけな」

「ほんと?な、何匹くらい・・・?」

「うーん、だいたい10匹くらいかな」

「10匹・・・ほわぁ・・・!」


(冴木くん、ナイスだよ!女の子に動物の話は基本!)

(そうなのか!やったぜ!)

(うん!イケメティック・ポイントあげちゃう!)


「こっちには動物あんまり居ないから・・・冴木くん、いいなぁ・・・」

「ははは、田舎も悪いところばっかりじゃないんだぜ!」


「笑顔、自然になった。」

「うん、冴木くんもイイ顔できるじゃないか!」


「じゃあ、これから、よろしくな!鎌田!」


   せっかく打ち解けたんだ!握手しようじゃないか!


「あ・・・握手?うん・・・」


   よぅし、鎌田と仲良く握手・・・


   バチっと何かに弾かれた


「痛ってぇぇぇぇ!?」

「あぁ!ご、ごめん・・・!わざとじゃ・・・!」


   ひどいっ!拒絶するなんて!しかも無駄に痛い!


「鎌田ちゃん、無意識にバリア張っちゃう癖があるみたいなんだよ・・・」

「あ・・・そう・・・」


   鎌田の能力か・・・ガチで払いのけられたかと思った・・・


「ボクは、さわれる。」

「うん・・・咲良ちゃんは大丈夫なの」

「いいなぁ・・・俺も触りたいよ・・・はぁ・・・」

「「「・・・」」」

     

   THE・ドン引き



「あー・・・ところで、麻島の好きな動物ってなんだ?」

 

   変態は置いといて、ここで麻島との友好度も上げておくぜ!


「鶏肉。」

「「「・・・」」」


  

   会話、終了。



「・・・ま、まぁそれはそれとして!冴木くん!俺には聞かないのかい?」

「折村はいいや・・・興味ないし・・・」

「えぇっ!?」

「あはは、聞いてあげようよ、冴木くん」


(ナイスだ折村!)

(静寂を切り裂いて、いくつも声が生まれたよ!冴木くん!)


   折村が変な空気を打開してくれた!


「俺の好感度も上げといたほうがいいよ、冴木くん!」

「気持ち悪い!」


  

   そうして、しばらく4人で談笑した

   平和だなぁ・・・



「お隣、よろしいですか?契くん」



「ん?誰・・・あああっあ雨野くぅぅぅぅん!?」

「何ですか、その反応」

「唸れスタンガン!うわあああ!!!」

「落ち着け、冴木。」


   あぁっ!麻島にスタンガンを叩き落とされた!くそっ!


「くらえ顔面パンチ!!!」

「へぶし。僕のこと嫌いですか?」

「大丈夫だよ、冴木くん!今の雨野くんは狂戦士じゃない!」

「傘が無ければ、無害。」


   あ、そうか。


「ごめん雨野・・・取り乱しちゃって・・・」

「いや、転校してきたばかりの契くんに学校のことを教えておこうかと思ったんですが・・・お邪魔でしたら、後でいいです・・・」

「あぁっ!待って!ありがたいよ雨野!ほら座って!」

「ありがとうございます」



「それにしても、今日の戦闘訓練では、完敗でした。」

「いやいや、そんなこと無いって。雨野だって、かなり強かったぞ?」

「でも、本当に能力を使わずに気絶させられてしまいましたからね・・・」

「気になっていたんだけど、冴木くんの能力って何なんだい?」

「え?俺!?・・・秘密だ」

「なぁんだー。教えてくれないのかー。」

「あ、わたし、先生から聞いたんだけど・・・冴木くんって、強い超能力を見込まれて、この学校に呼ばれたんでしょ?・・・ほんと?」


   そういえば、そういう設定だったな・・・あまり詮索されると厄介だ。


「いやいや、俺なんて大したこと無いって!そんなことより、雨野!」

「はい?」

「この学校について教えてくれよ!」

「あぁ、そうでしたね。本当に基本的な話ですけれど・・・」



「まず、僕達が所属している、C組について説明しましょう。C組というのは・・・言ってしまえば、余り、です」

「余り・・・?」


「この学校では、基本、能力者達が最低3人、最高5人のグループを作って行動します。例えば、課外活動の時であったり、校長立ち会いの模擬戦の時ですね。それらの成績が優秀なグループがA組、下位のグループがB組というように別れます」

「それじゃあつまり、C組は・・・」

「ええ・・・仲間に入れてもらえなかった、友達居ない組です。」

   

   それって何か、悲しいな・・・


「グループを結成すれば、B組に上がることができますが・・・どうもこのクラスは変人が多いようで。なかなかグループを作ろうととしません。まあ僕もそうなんですけどね。」

「積極的に女の子に話しかけてるのに、誰も入れてくれないんだ!」

「キモイからだろ・・・」


「グループを作らないと、学校祭に参加できませんしね。」

「それはつまんないだろうな・・・」

「そんな訳で、C組の説明は以上です」

「あぁ、分かった」


「冴木くん!!!」

「いきなりどうした、折村」

「この機会に、俺達でグループ作っちゃおうよー!」

「うーん、別に構わないけど?」

 

   むしろ好都合だ。


「よーし!ね、麻島ちゃんも入ろうよー!」

「何度も言わせるな。嫌だ」

「うっ・・・じゃあ鎌田ちゃんは・・・」

「わ、わたしも・・・あ、咲良ちゃんが入るならいいけど・・・」

「嫌だ。」

「うぐぅ・・・この際、雨野でもいいから・・・」

「この際って何ですか。僕もパスです。団体行動は苦手でして。」

「だ、ダメか・・・二人じゃグループ作れないよ・・・」


   折村がガックリとうなだれる

   まぁ、焦らずゆっくり行こうぜ、折村・・・


「さて、次は宿泊場所について説明しましょう」

「おう」

「一階にある居住スペース、場所分かります?」

「あぁ、なんとなく」

「そこの部屋で二人一組で寝泊まりすることになっています」

「冴木くんは俺と一緒だよ。そろそろ一人で寝るのも飽きたからね。君が転校してきて良かったよ・・・今日は一緒に寝ようね・・・ふふふ!」

「言い方が嫌だ」


「あと、消灯時間を過ぎると、部屋から出ることができません。部屋の中に、トイレとシャワーがあるので、それを使うように。貴重品は暗証番号付きのロッカーにしまうように・・・これくらいですかね、基本的なことは」

「そうか、ありがとうな」

「いえいえ、それでは、僕はこれで」

「おう!」


   雨野が席を立つ

   なんだ、普段はいい奴じゃん!傘持ったときはヒャッハーだけど・・・


「咲良ちゃん、そろそろお風呂いこうよー」

「そうだな、入ろう、姫守。」

「俺らも一緒に行こうか・・・!ふふふ・・・!」

「言い方が嫌だ」


   都会のお風呂か・・・!でかいんだろうな・・・



「お風呂入った後、自由時間どうするんだい?」

「何しよっか?咲良ちゃん」

「ボクは、何でもいい。」


「悪いけど、今日は俺、早めに寝るわ・・・疲れちゃってさ」

「そうか。」

「転校してきたばかりで大変だよね・・・だいじょーぶ?」

「分かったよ、俺も後から冴木くんの布団に行くから!安心してね・・・!」

「生理的に嫌だ」




   そうして、なんとか一日目、終了ッ!!!



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