一話 はぁ?超能力?
「契ちゃん、ghryて?」
「何?どうしたの?thvdrちゃん」
「vへtbhヴぃtljndcfkぢお」
「・・・ほんと?」
「うん、cvrvれhじゅ!」
「嬉しいな・・・vbtきvyちゃん」
「契ちゃんっfdのふ親ヴぃえのvkpkはでなうjvrけど、でいjrk」
「絶対だよ?約束だよ?」
「うん、djヴぃv冴木fvkもfvp契ちゃん!あはは!」
「ふふっ」
「おvjつdkdklckぢ、lc,flcっ!」
「冴木 契さん、もうすぐ学校に到着しますよ」
「・・・うん?あ・・・ふぁぁ、はい」
夢か。実に意味不明だった。だが、なんだか幸せな気持ちがしたような。
そうだ、今、俺は車で学校に向かっているんだ・・・
車の窓から、都会の街並みが見える。あ、コンビニだ!すげぇ!
「そういえば、運転手さん」
「はい、なんでしょう」
「今更こんなこと聞くのもなんですけど」
「はい」
そういえば、俺、どんな学校に転校するんだろう
「今更すぎます・・・」
「ごめんなさい・・・」
運転手さん曰く、普通の学校、らしい。
うーん、普通じゃ分からないな・・・
「まぁ、どこにでもある学校ですよ。」
「そ、そうですか・・・」
田舎者だから、都会の普通って何なのかさっぱりだ。
でもこれ以上聞くのは恥ずかしい・・・
「着きましたよ。ここが今日からあなたが通う学校です」
「あ、はいっ!」
車を降りると、そこには・・・
超能力者育成学校 右区
「我が国の超能力者育成施設の一つです。普通の」
「あぁ、なるほど・・・普通の・・・」
「はぁ?超能力?」
「それでは、私はこれで失礼します。」
「あ、待って!ちょっと!」
「まず最初に職員室あたりに行けばいいんじゃないですか?」
「そうですか・・・じゃない!おい待て!なんだ超能力って!」
「ブーーーン」
「あぁっ!行っちまった!口でブーーーンって言いながらっ!」
ポツンと校門の前で一人佇む俺。
もうわけわかんないよ。何、超能力者育成施設って。
つーか、俺、何で呼ばれたんだろう。
超能力、使えたっけ・・・使えねぇよ・・・
場違いにも程があるよ・・・絶対いじめられるよ・・・
「えー!超能力使えないのー!?キモーイ!!!」
「無能力者が許されるのは小学生までだよねー!」
おそらくこんな具合だよ・・・と、考えていると。
「君か?転校生の冴木 契くんとやらは!」
ムキムキの人、出現。
「私は、ここの教師をしている馬場野原猛だ!よろしくぅ!」
(すげぇ名前してんな・・・筋肉やばっ・・・!)
「さぁ、私についてきたまえっ!」
ここの教師ってことは、この人も超能力使えるのかな・・・
この人の場違い感もハンパないぜ?
絶対、スプーン曲げ(物理)とかだろ・・・
「どうしたぁ!?緊張してるのか!?」
「あ、いや、大丈夫です・・・」
「そうかぁ!では行くぞ!」
暑い。
俺は、ムキムキの人と一緒に歩いて行く。
すると、突然
「ほぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「えぇっ!?何!?」
どうしたの!?馬場野原先生っ!?
「おぉんっ!!!」
「ヒィッ!?」
ガラッ・・・
「ふふふ・・・見たか?」
「えと・・・何を?」
「ほら、職員玄関の扉を見るんだ!」
「え・・・開いてる・・・さっきまで閉まってたのに・・・」
しかも、扉まで10メートルほど離れている。一体何が・・・
「私の能力・・・サイコキネシスだ・・・!」
やだ・・・ゴリマッチョがサイコキネシスとか言ってる・・・
「どうだぁ!!!ガハハハ!!!」
(でも、本当に超能力が存在してたなんて・・・都会ってすげぇ・・・いや感心している場合じゃねぇよ!やべぇよこの学校!)
そんなこんなで校長室
「いやぁ、入学おめでとう!冴木 契くん!私は右区の管理者の宇治原だ!」
「あ・・・はぁ・・・どうも」
「君が来てくれて本当に嬉しいよ!君の活躍に期待しているからね!」
「えぇと、あの・・・」
「ん?何だね?」
「俺は、何でこの学校に呼ばれたんでしょうか・・・」
「え?それは君が優秀な能力者だからに決まっているじゃないか!」
はい、手違い。
「俺が・・・ですか?」
「あぁ、そういう調査報告を受けて、君をこの学校に呼んだんだがね」
「そうですか・・・」
いや、まだ希望はある!ここで正直に本当のことを言えばまだ助かるかも!
こんな変な学校に入って死にたくはない!!!
「ちなみに、君がサインした書類に書いてあるとおり、途中で退学はできないし、校長である私の許可がないと、この学校の敷地から出ちゃダメだからね?そういうきまりだから。・・・あれ?書類に目、通してあるよね?」
「あ・・・えーと、はい・・・」
見落としてたよ、うん。
都会って聞いて舞い上がってましたよ。
「あと、うちの学校の方針は、『力こそが全て』だよ」
アカン。
「まぁ、そんなところだね。」
「え?」
「うちは、基本自由だから。あんまり校則とかは無いんだ。」
「あ、そうなんですか。」
「学内には売店があるし、ある程度の娯楽施設もあるんだ。」
それはすごい。道理でこの学校、無駄にデカイわけだよ。
「でもあんまりお金に余裕ないんですよね。はは・・・」
「うん、大丈夫。こっちでバイト紹介してあげるから。」
宇治原校長・・・!優しい!
「じゃあ、君はC組だから。馬場野原先生のクラスだよ。がんばってね!」
馬場野原か・・・まぁそれはいいけど。
大丈夫かなぁ・・・友達できるかな。
早く味方を作らないと、この学校では生きていけないだろう。
「よぅし!冴木!ついて来い!C組は一階の一番奥の部屋だ!」
俺は馬場野原について行く。
「あの、二階と三階はどうなってるんですか?」
「んん?二階は主にショッピングエリアだ!三階には、A組とB組の教室と、体育館がある!」
あれ、何でA組とB組だけ3階なんだ?C組は1階なのに。
超嫌な予感がする。
「ここがC組だ!私が呼んだら、教室に入ってくるんだぞ!」
「分かりました」
どんなクラスだろう・・・ほのぼのとしたクラスがいいなぁ・・・
不良のたまり場みたいな雰囲気は絶対嫌だぜ・・・?
「おおい!!!お前ぇ!!!パン買ってこいよ!!!」
「ひぃぃ!」
「テレポート使えんだろ!?早くしろよ!」
「分かったよ!分かったからエネルギー弾はやめてぇ!!!」
考えただけでも恐ろしい・・・
「冴木!入ってこい!」
(うわあああ呼ばれたあああ)
意を決して、ガラガラと扉を開ける。
「ようし!皆に自己紹介するんだ!」
「は、はい」
うわぁ・・・みんなこっち見てる・・・だいたい15人くらい。あれ?少ない?
でも注目されるのは苦手だぜ・・・
「田舎から来た、冴木 契です。よろしくおねがいします!」
さぁ、どうだ・・・!クラスの反応は!
「よろしくー」「・・・ちょっとかっこいいかも」「どんな能力だろうね」
割と普通やん
「よし!皆、仲良くしてやってくれ!」
「「「はーい」」」
やべぇ、いいクラス・・・!泣きそう!
「冴木の席は、あそこに居る、折村の隣だ!」
折村・・・あ、手振ってる。すげぇイケメン・・・
絶対いい奴だろ・・・
「ほら、ここだよ。君の席。」
「ああ、よろしく」
「俺は折村光貴。良かったね、俺の隣で。」
「何でだ?」
「この席涼しいんだよね。ほら、先生暑苦しいからさ。」
「はは、そうだな。」
予想通りいい奴だ!心までイケメンだ!
「ちなみに、君は今日、どんなパンツを履いているんだい?」
・・・幻聴か
「ねぇねぇ、何色のぐあっはあああああ!!!」
いきなり折村が上に吹っ飛んだ
「おおい!折村!いきなり冴木にセクハラをするんじゃない!」
あぁ、馬場野原のサイコキネシスか。効果は抜群のようだ。
「す・・・すみません、先・・・生・・・」
「分かればいいんだ!」
ドグシャアという音と共に折村が地面に叩きつけられる。
「ごめん、冴木くん・・・癖なんだ、セクハラが・・・」
何それ怖い
「おかげでみんなからは、心の中で、イケメンクズ野郎と呼ばれているよ・・・」
「な、何で分かるんだ?」
「直接みんなから聞いた。」
まともそうな人に見えたのに・・・
イケメンの皮を被った変態だったとは。
「そんなわけで・・・よろし・・・く・・・」
「お、おう」
まぁ悪いやつではないのだろう。こいつは問題ないな。
あ、じゃあちょっと右隣の女の子に話しかけてみようかな。
「ねぇ、君、名前は・・・」
女の子がこちらを向く。あ、かわいい。
キレイな黒髪のポニーテールだ。
「・・・っ!」
そっぽ向かれた
「冴木くん、その子、恥ずかしがり屋なんだ・・・ちなみにその子の今日の下着はぐああああああ!!!!」
「「「大丈夫か!折村ァ!!!」」」
「何度言えば分かるんだ!?セクハラはやめろ!!」
再びサイコキネシスが発動。
「ぐぅぅ!!!だから、癖なんです・・・!!!」
「「「あははは」」」
笑いが起こる。
なんだ・・・俺、意外とやっていけそうかも。
そうだ、この際、前の席の人にも話しかけておこう。
「なぁ」
肩をポンポンと叩くと、振り返ってこっちを見た。
うわぁ、髪が赤い・・・女の子・・・?短髪だから一瞬わからなかった。
「変な動きしたら、殺す。」
・・・あわわわわわわわわ
「折村・・・俺、死にたくねぇ・・・」
「大丈夫だよ。何もしなければ殺されないから。ちなみにその子の名前ぐわあああああああ!!!」
「あ!すまん折村!てっきり、またセクハラかと・・・!」
「あんまりだぁぁぁぁぁ!!!」
本日3度目の打ち上げ折村。
変なクラス・・・でも、頑張っていけそうだ。
俺は無能力者だけど、この学校に居れば、何らかの能力が身につくかも知れな い。
それまでは、能力が無いことは秘密にしないとな・・・