プロローグ 「じゃあな、よっちゃん」
後々、ダークな作品にしていくつもりなので、苦手な方はご注意ください。
やあ!俺の名前は、冴木契高校一年生だぜ!
いきなりだけど、今度から都会の学校に転校するんだぜ!
いやぁ、いままで田舎暮らしだったから、都会は楽しみだ!いやっほーい!!!
知ってるか?都会の学校って、すっごく勉強ができる奴じゃないと入れないんだぜ!?
俺?・・・俺はバカさ!勉強は嫌いだぁぁぁ!!!
え?じゃあ何で都会の学校に通うことになったのかって?
知りたい?気になる?・・・ふふふ、そうだろう、そうだろう!
実はな・・・向こうの学校長から直々に「うちの学校来てよ〜」って言われたんだぜ!電話で!
きっと俺には特別な力があるに違いないんだぜ!厨二心が騒ぎだすッ!
「冴木、ウザいよ・・・」
「ごめん、よっちゃん・・・」
「誰に紹介してるの・・・僕はもう知ってるよ、それ・・・バカなのも知ってるよ・・・」
「ごめん、よっちゃん・・・興奮して変なテンションになっちゃったんだ・・・」
調子に乗りすぎたようだ。あ、みんなこっち見てる・・・
「冴木、座れ。机の上に立つんじゃない。」
「ハッ!いつの間に!」
「いつの間に、じゃねぇよ!とっとと降りろ!」
「くっ・・・分かりました。すいません、先生。」
「くっ、て何だ。」
ここは、田舎の学校。なんの変哲もない、ただの学校。だが、今日でおさらばだ。
今、お別れ会というものをやっている。
「冴木、嬉しいのは分かるけどさ・・・」
説明が遅れたが、こいつは、よっちゃん。昔からずっと一緒にいる親友だ。
「・・・でも、都会だぜ?何があるのか楽しみすぎるって。」
「いいなぁ、僕も行きたいよ・・・・・・冴木と離れたくないし・・・せっかく一緒の高校入ったのにさ・・・」
「ん?何か言ったか?」
「っ!な、なんでもないよ!」
「なんてな、ばっちり聞こえてたぜ?」
「うぅ・・・」
補足説明。よっちゃんは女。
「おい、冴木。もうすぐ迎えが来るから、さっさと皆に別れの挨拶しろ。」
「はーい・・・分かりましたよ。って、やけにあっさりしてません?お別れ会。」
「・・・冴木」
「はい」
「お前、この高校に入学したばかりだよな?まだ一週間しか経ってないよな?」
「はい」
「正直、お前に思い入れとか無いから・・・」
そうですよね。
「みんな!短い間だったけど、ありがとう!じゃあな!」
「「「あ、うん」」」
よし!みんなとの別れの挨拶を済ませたぜ!よし、行くか!
俺は教室を飛び出そうとした。
「さ、冴木!待って!」
「あぁ、よっちゃん。今までありがとな。俺、向こうに言っても頑張るから!」
「あのさ・・・冴木に言いたいことがあるんだ・・・」
「おう、何だ?」
「実はね・・・僕、ずっと前から・・・」
「ん?」
「・・・ずっと好きだったよ!・・・うぁぁ、言っちゃった・・・」
「あぁ、俺もだ!よっちゃんは最高の友達だぜ!じゃあな!」
「え、いやだから・・・ともだちじゃぁ・・・」
「行ってきます!」
「「「あ、うん」」」 「僕の話を聞いてよぉぉぉ!!!」
こうして、冴木 契は、都会の学校へ転校したのであった。
この先に、なんやかんやが待ち構えているとも知らずに・・・
プロローグにして、第一のヒロイン よっちゃん。玉砕。