第四章
テレビが光をこぼしている。
画面の向こう側では息を止めたような緊張に包まれた沈黙の中で黄色い光が舞台を照らし出している。
ライトの先には150センチ四方の箱があり、表面は木そのものだ。
拍手が聞こえ始め、僕は画面の前に座った。
舞台そでから出てきたのは細身の男ではなく、「人」。
金属のぶつかり合うようなけたたましい拍手の中、マイクを持つ。
「人」の話を聞こうと会場は再び静まり返る。
「みなさん、長い挨拶は抜きにしましょう。一年前、わたくしたちが生まれたときにできたスリーアール。みなさんご存知でしょう。リデュース、リユース、リボーン。こうして人間は様々なものを、わたくしたちに変えてきました。ならば人間だって、そうあるべきではありませんか」
そう言ったと同時に箱を突き破って人間の腕が伸びてきた。
カメラがぐっと近づき、指が箱に押しあてられているのがわかる。
両腕で持ち上げられた上半身が箱をつき破った。
ガラスのボウルから透けて見える脳は、人間のそれの一部を除いたものだ。
肩には金属の補強がなされており、胴はペットボトル。
そして中心に小さな鳥かごのようなものがあり、中では心臓そのものが脈を打っている。
その他の臓器は見当たらない。
むき出しの動脈と静脈はテープのようなもので保護されている。
そして何より、その顔は――僕のよく知っている顔だった。
それから「人」はその「人」について説明しだした。
僕はテレビを消して立ち上がる。
「だから、言ったじゃないか、そういうことはよくないって」
雨が地面に叩きつけられる音だけが響いていた。