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量産型異世界アニメが微妙になってきた理由


最近、僕は異世界系アニメを前ほど素直に楽しめなくなってきた。

中学生の頃は、新作の異世界転生アニメが出るたびにワクワクしていたのに、

今は放送一覧を眺めても**「また似たようなのが増えたな……」**と感じることが増えてしまった。

別に異世界ジャンル自体が嫌いになったわけじゃない。

むしろ俺は、ファンタジー世界の仕組みや魔法体系を見るのが結構好きだ。

ただ、ここ数年の量産ペースや作品の傾向を見ていると、

“つまらない作品が増えたように思える理由”がなんとなく見えてきたので、

今回は私なりに整理してみようと思う。



■ 1. テンプレの消費と「ジャンル疲れ」の問題


まず最初に感じるのは、

テンプレが擦られすぎてしまったという点だと思う。

主人公が事故で死んで異世界に転生し、チート能力を得て成り上がる――

この構図自体は悪いわけではない。

むしろ初期の頃は、俺も「こういうやつ待ってた!」と興奮して見ていた。


しかし、似た構造の物語が何十作、何百作と増えてくると、

どうしても“新鮮さ”が薄れてしまう。

観客(こちら側)がある程度の展開を予測できてしまうと、

ストーリー上の驚きや感情の動きが弱くなる。

これは僕に限らず、多くの視聴者が感じている現象だと思う。


特に問題なのは、テンプレそのものではなく、

テンプレを更新する工夫が減っていることだ。

どんなジャンルでもテンプレは存在するが、

優れた作品はそこに独自のアイデアやテーマ性を混ぜ込むことで

差別化に成功してきた。


でも最近の異世界ものの中には、

「テンプレをただなぞるだけで、作品の意義が希薄なもの」

が一定数混ざってしまっている印象がある。



■ 2. 原作の大量供給が“選別の甘さ”を生んでいる


次に、供給過多の問題が大きい。

僕もネット小説サイトを見ることがあるけれど、

異世界転生ジャンルは今でも膨大な投稿数がある。

数が増えること自体は悪いことではない。

多様な作品が生まれるのは良いことだ。


しかし、アニメ化に関しては状況が少し違う。

昔ならアニメ化は「原作の中でも本当に人気のある作品」だけが選ばれたけれど、

今は枠を埋めるためなのか、

アニメ化に向いていない作品まで無理に映像化されているように感じる。


例えば、

・文章でこそ面白いが、映像化すると地味になる話

・キャラクターの内面描写が中心で、アニメだと薄く見える作品

・設定の面白さより、文章の魅力に支えられていた作品

こういうものまでアニメ化されると、

視聴者側は「なんだか地味だな」「薄いな」と感じやすい。


私が思うに、

アニメ業界が“原作の質”ではなく“作品の数”を求める方向に

一部傾いてしまっているのが原因だと思う。

結果として、ジャンル全体の印象が下がりやすくなる。



■ 3. 制作スケジュールの圧迫によるクオリティ低下


これは業界の事情だけれど、

アニメ化本数が増えれば増えるほど、

制作会社の負担が大きくなる。

これは素人の俺でも分かる。


特に異世界ものは、

モンスター・魔法・背景美術といった作業量が多く、

日常系よりも制作負担が重い傾向がある。

にもかかわらず、同じ制作ラインで連続して作らされていたり、

スケジュールが極端に短かったりすると、

作画や演出のクオリティが維持できないのも当然だと思う。


僕が見ても「この話数だけ急に絵が荒れてるな」と分かる作品もあるし、

本来の構図が伝わる前に、

“安っぽさ”が目についてしまうこともある。

作品が悪いというより、

作る側が追い詰められているのだと思う。

それが結果的に、視聴者の評価にも響いてしまう。



■ 4. 主人公のキャラクター性が均質化している


最近の異世界主人公を見ていると、

「同じような性格・同じような価値観」

のキャラが多いように感じる。


・控えめで優しい

・嫌われない

・でも強い

・トラブルは能力(チート)で即解決

こういうタイプは最初の頃は魅力的だったけれど、

数が増えすぎるとキャラクターとしての個性が薄れ、

僕としては“物語を引っ張る力”が弱く感じられてしまう。


逆に、昔の名作と呼ばれる異世界ものには、

主人公の価値観や欠点、行動原理が明確で、

それが物語の推進力になっていた。

キャラが強い作品は、ストーリーの方向性も自然と強くなる。


最近の均質化した主人公像は、

視聴者(我々)に嫌われないための無個性化でもあり、

物語の熱量を弱める原因になっていると思う。



■ 5. 作品テーマが“生活系”に寄りすぎてダイナミズムが減った


異世界スローライフ系は、それ自体は楽しいジャンルだし、

俺も好きな作品はある。

ただ、量が増えるにつれて、

「異世界で何をしたいのか」という目的が曖昧な作品も増えてきた。


本来、異世界転生というのは

“人生の再スタート”であり“価値観の再構築”を描ける題材だ。

ところが、

・特に目的もなく

・成長や葛藤も少なく

・生活して周囲に持ち上げられるだけ

という内容になってしまうと、

物語としての深みが不足してしまう。


私が思うに、

“のんびり系”が悪いのではなく、

“のんびりである必然性”が弱い作品が増えたことが問題なんだと思う。



■ 6. ジャンル全体の成熟が、逆に「停滞感」を生んでいる


どのジャンルでも、

初期には斬新さがあり、

中期には深化があり、

後期にはマンネリがある。


異世界ものは、今まさに“後期”に入っているのだと思う。

つまり、

ジャンルが成熟しすぎて、新しい切り口が見つけにくくなっている状態だ。


これは作り手が悪いわけでも、視聴者が悪いわけでもなく、

自然に起こる現象だと思う。

推理小説に黄金期があったように、

異世界ものにも“黄金期”があり、

今は多くのパターンが出尽くしたために、

新作が“既視感との勝負”を強いられている。



■ まとめ


俺なりに整理すると、

異世界ものが以前より“面白くない”と感じられる理由は、

単純に「作品が悪くなったから」ではなく、


・テンプレの消費によるジャンル疲れ

・アニメ化本数の増加による選別の甘さ

・制作現場の疲弊

・主人公像の均質化

・目的性の弱い作品の増加

・ジャンル成熟による停滞感


こうした複数の要因が重なって生まれた現象だと思う。


それでも、僕はこのジャンルが好きだ。

まだまだ面白い作品は生まれると思うし、

ジャンルが一周して、新しい挑戦が出てくる可能性もある。

だからこそ、これからの異世界アニメが

もう一度“ワクワクするもの”になってくれることを、

俺はちょっと期待している。


みんな頑張ってくれ

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