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声劇用台本「老いない魔女」男女1:1  作者: 木山京


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3/10

■3 老いない魔女と軋む微笑

◆2から一週間後。青年中心の視点。『』内の台詞は独白です。


◆『青年』

祖父の友人だったという魔女様の小屋へ住み始めて、そろそろ一週間

いつの間にか、僕はすっかり助手扱いされている

食事を作ったり、本を探したり、掃除をしたり

助手というより雑用だけど、それでも、誰かに必要にされるのは……


◆青年

あ、そろそろか。

魔女様。起きてください、魔女様。


◆魔女

んー、うぅ……?

あぁー、助手くんかぁ……。


◆青年

ええ。おはようございます、魔女様。


◆魔女

おふぁー、んにゃ……おはよー。


◆青年

顔拭いてください。濡れタオル、用意しておきましたから。


◆魔女

んー、あんがとー……もう三日たったんだぁー?


◆青年

そうですよ。きっちり72時間。

ははっ、ふにゃふにゃですね。


◆魔女

まーねぇー……んん? 今笑ったなぁー?


◆青年

いやだって……ぷっ、そんなふにゃふにゃの顔されてたら……ふふっ。


◆魔女

わーらーうーなーっ。

そんなだと、もーっとじいちゃんに似ちゃうぞー。


◆青年

ああ、祖父にも笑われたんだ。


◆魔女

そーだよー、まったくひどい弟子だったんだからぁー。

ふわぁ、んにゃ……まいっか。


◆青年

コーヒー飲みます?


◆魔女

んー、ありがとー……えへへ。

助手くんは良い子だねぇ、良い子のままでいてほしい。


◆青年

祖父みたいな度胸がないだけですよ。

でも大変ですね、魔女様。魔法を使う度に眠っちゃうんですか?


◆魔女

まあ、うん……反動みたいなもんだよ。

私って魔法が下手だからさ。


◆青年

下手……? 魔女様なのに?


◆魔女

そうそう。魔力とかマナとか、呼び方はいろいろあるけどさ。

私、それが極端に少ないのよ。

たぶん、潜在的には助手くんや助手くんのじいちゃんのがずっと上だよ。


◆青年

またそんな……マジですか?


◆魔女

マジマジ、超マジ。……あ、マジックだけに!


◆青年

……は、ははっ。


◆魔女

さすがに誤魔化す技は覚えたけどねー。


◆青年

あ、流すんですね。


◆魔女

うるさいよっ!

……ま、まあともかく? 総量はホントに少ないのよ。

だから大きめの術やる時は、代わりに生命力使ってるんだー。


◆青年

生命力……そっか、死なないから。


◆魔女

そういうこと。

まあ死なないってだけで、見ての通り反動は来るんだけどね。

回復するまで寝ないと、さすがに連続で使えないし。


◆青年

……あの、本当にすみません。

そこまでしてもらって。


◆魔女

おいおいー、そんな暗くなるとこじゃないぞー?

それに三日なら軽い軽い。

前に魔王さんと殴り合った時なんてさー、100年だよ、100年?

喧嘩して起きたら一世紀過ぎてんだから。

いやぁー、びびったよねぇー。

あの頃は私も魔王さんもやんちゃしてたなぁー。

青春だねぇ。


◆青年

魔王と決戦なんて、青春の1ページには重すぎますよ……。

え、でも魔女様、魔王を倒したって伝えられてましたっけ?

活躍した、みたいな伝説は聞いたことありますけど……。


◆魔女

あー、あれね。正確には倒したわけでもないんだけど……ほら、私は寝てるわけじゃん?


◆青年

はあ。


◆魔女

寝てたら祝賀会もできないでしょ?


◆青年

まあ。


◆魔女

だから、一緒にいた王子とか騎士が倒したことになってんの。


◆青年

詐欺じゃないですか!

完全に手柄横取りされてるじゃないですか!


◆魔女

えぇ~、そんなことないよぉ~。

実際、私あの時は切り札扱いだったからさ~。

魔王さんち行くまでは仲間任せだったし、9割あの人たちの手柄なんだから。

四捨五入すれば嘘じゃないってー。


◆青年

四捨五入で伝説を片付けないでください……。


◆魔女

まあまあ。ともかく、助手くんが気にすることないよ?

でも、ふふっ……ありがとね。

そういうところは、じーちゃん似だぁ。


◆青年

い、いえ……それは、別にいいんですけど。


◆魔女

照れるなよ~。

んー、だけどごめんね。今回は収穫なしだわ。


◆青年

……大丈夫ですよ。最近、ここの暮らしにも慣れてきましたから。

今すぐ腕が治って、じゃあお疲れ様……とか言われても。

そっちの方が困りそうですから。


◆魔女

……親御さんと揉めちゃった?


◆青年

揉めた、というか、なんというか……。

祖父は……魔法のことばっかりでしたから。

僕みたいな孫以外で祖父に接してたのは……たぶん、祖母だけですよ。

だからその、僕は祖父に似てるみたいだし、呪われてるし。

あんまり、顔合わせたくないみたいですね、あはは……。


◆魔女

それ、私の……ううん。なんでもないや。


◆青年

ええ……なんでもないことに、しておくてください。

食事、何か作ってきます。


◆魔女

……うん、ありがと。

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